フクダ電子アリーナへ
2007/05/19 ジェフ・ユナイテッド千葉vsサンフレッチェ広島 フクダ電子アリーナ
空色が悪い。家を出る前感じたことだ。元々天気予報だって良くなかった訳だからこの天気も想像はできたとはいえ雨は降って欲しくなかった。もっとも雨が降ったとはいえ大した影響はない。何せフクダ電子アリーナには屋根が付いているのだから。
そんなことよりもぼくは午前中の仕事を終えて無事にスタジアムにたどり着くことができるのかどうか、そっちの方が心配だ。こういう日に限って横浜で仕事がある。どうせなら日産スタジアムで試合があれば近くていいのに。横浜から蘇我じゃ2時間は見なくてはいけない。それを見込んだ場合一体何時に仕事を終わらせなければいけないのだろうか。
とはいえそんなこと大して関係ないのであった。試合日に仕事なんて過去にもたくさんあったが鬼神のような速さと要領の良さで仕事を片付ける。まさに土曜日のぼくはスーパーだ。人間、追い込まれるとその能力がすざましいまでに向上するようだ。
ここまでして試合に行きたいと思うのはぼくが関東に住んでるからだろう。広島から離れた地にいるぼくとしては必然的に生観戦の機会というのは限られてしまう。だからJリーグの日程が発表されたらすぐにカレンダーでチェック。そして全てはそのマーキングした日程に合わせた予定を組むのだった。
といってもぼくは関東にいるからまだいいのだった。やはり首都圏ということでJ1のチームが多いため観戦可能な試合というのが多くなる。これが関西などではJリーグのクラブはあるもののJ2にいるクラブもありサンフレッチェの試合としてはグッと少なくなる。そして他の地域となるとJリーグのクラブ自体あまりないので観戦の確率はもっと低くなり年に1回、もしくはそれ以下の頻度になってしまう。だから広島にいないとはいえアウェイの地でもっともサンフレッチェを観れる環境にいるのだった。
とはいえ実際に住んでると広島との距離は感じてしまう。そもそもそんな簡単に広島に行けないというのもあるし。不思議なもので広島にいる時には特に広島を意識することもなかった。それなのに広島を出たら広島で育ったということを痛烈に意識する。そしてその広島人としてのアイデンティティーを出せるのがサンフレッチェの試合。スタジアムで「ヒロシマ」と叫び広島を応援するのだがそんなことができるスポーツチームはサンフレッチェだけだ。他に「ヒロシマ」と応援するスポーツチームがあるだろうか。そう思うとサンフレッチェは広島のシンボルとしては希薄な感じがする。それだけにもっと盛り上げていきたい。その為に同士をもっと増やしたいという意識がある。
もしかしたらぼくのやってることは滑稽かもしれない。こんなことやって得をする訳じゃない。モテる訳でもない。会社では変な奴だと思われる。自分でも何やってるのか時々分からなくなってくる。でもそんな時思い出すのだ。数年前一人でスタジアムに出掛けサンフレッチェの勝利も敗北も共有できる仲間がいなかったことを。アウェイ・ゴール裏なんて応援してる人がいないのではというくらいに人がいなかった。それを考えると今は幸せ。結局自分の幸せの為にやってるんだ。
しかし得てしてこういうサンフレッチェの試合のある日に限って仕事でトラブルが起きる。そして土曜だからどこにも連絡がつかないという事態に陥る。その為尚更仕事先では頼みの綱というように頼りにされる。悪循環だ。結局そこまでの事態になったらぼく一人の力ではどうにもならず月曜まで待ってくれと説き伏せるのだ。そして今日はこれ以上やっても仕方ないから切り上げる段取りをする。これこそ普段誰にも言いくるめることができないのにオーラを身にまとって皆を説き伏せることができる。この時のぼくなら宗教団体でも簡単に作れるだろう。
そうやって仕事を切り上げて駅へ向かう。先に早めの昼食を取ろうと立ち食いそば屋でカレーを食べる。もう早いということこそがこの時は最大の魅力であったのだが土曜日のサービスで半額だったのが嬉しかった。
そして電車に乗り込むのだった。そうなれば後は着くのを待てばいい。落ち着けばいい。ただこういう時は本を読んでも頭には入らず席が空いても座るのがもどかしくなってしまう。結局腕組みをして外を眺めるだけだった。
空模様は幸いにも良くなってきた。午前中雨が降ってきたがもう日も差している。これでスタジアムに行くのに何の支障もなくなってきた。さあ、後は蘇我に着くのを待てばいいだけだ。
そこまできてやっと試合のことへ頭が回る。果たして勝てるかどうか。浩司、柏木から得点が生まれるだろうか。カズのところから失点しないだろうか。駒野はどれだけマークされるのだろうか。両サイドに質の高い選手を揃えるがそこからも得点できないものなのか。そしてメンバー交代はあるのだろうか。平繁、高柳、出てくるとしたらこの辺だろう。ジェフとはいつも攻守の展開が速い試合になる。それが勝っても負けても同じような試合になるのはこの両チームが似たような特徴を持っているからだ。だから他のチームとの対戦とはちょっと違った試合が観れる。
それよりもカバンにしまったレプリカユニフォーム。どこで着替えようか。蘇我駅を降りる時には紫でいたいな。だって改札前には仲間が待ってる。その時にぼくが紫のユニフォームを着てないというのはとても納得できないのだ。まあそんなこと気にせずその待ち合わせ場所かスタジアムでゆっくりと着ればいいというのは分かってるつもりだが。
最近のコメント