希望に満ちたヴァレリー
金がない、人気がない、有名選手がいない。3拍子揃ったこのチームには望みがなかった。エディ・トムソン監督はそんな中でもチームをJ2に落とすことなくそしてその極端な戦術は弱い癖にたまに強豪のジュビロ磐田を破るという快挙をやってのけた。それはそれで痛快だったkもしれないがそんなことをやっててクラブとして持つわけがない。そう考えたクラブは監督の交代を考えた。よりエキサイティングなゲームを魅せるために。より興奮するサッカーをしるために。そしてその魅力的なサッカーで観客を惹き付けようとした。
ヴァレリー・ニポニムシ。ロシアから来たその監督は熱血漢のトムソンとは正反対だった。物静かな紳士的な振る舞いといい痩せたその容姿といい。だがそのスタイルは攻撃的で積極的にボールを回すというものだった。カウンター・サッカー主導だったサンフレッチェにとって全くタイプの異なる監督が就任したのである。
ヴァレリーの特徴は何といっても3トップだ。当時日本に3トップをフォーメーションとするチームはなかった。そしてキャンプの時から速いパス回しはレポートされていた。そして2000年に入団した新人選手はスーパー・セブンと銘打っていずれも有望な選手だった。各選手年代別代表に選ばれていてこの選手が成長すればサンフレッチェは強豪となることができると過信させられた。実際この当時はそういう風潮があった。有望な選手は必ず将来の活躍が保障されてると。良い新人が入れば中田英寿のように世界的な選手になってチームの大黒柱になりヨーロッパに移籍することによって多額の移籍金を取れる。実際にはJリーグに入ってから成長する選手としない選手がいて大抵の場合消えていく。年代別代表がそのままA代表まで行けるケースは稀だ。今になってみれば日本のサッカーは進化してないようでいてそういう細かいこと一つ一つを理解するようになっているという意味では進歩しているのではなかろうか。
そして2001年の開幕を迎える。昨シーズン、エースの久保がいない中天皇杯で準優勝を果たしたということもあって希望に満ちた開幕だった。
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