『神主さんがなぜプロサッカーチームの経営をするのか』
アルビレックス新潟会長、NSGグループ代表という肩書きを持つ神主さん、池田弘氏が書いた本。氏は自身の宗教観から始まり地元の新潟元気にして新潟から世界へという視野を持っている。その為の一つとしてアルビレックス新潟が存在するということだ。今後はアジアを中心に人とモノの交流を図りたいとしている。シンガポールリーグに参戦してるのはその一環だとしている。
確かに新潟は一地方都市の割にはアルビレックスは客を入れてる。後発のチームだからバカにしてた面もあったが観客動員数は日本で1、2を争う。少なくともサンフレッチェの2、3倍は入ってるのではなかろうか。観客動員に悩むサンフレッチェもアルビレックスに学ぶ面は大きいのではないだろうか。
まず広島のアイデンティティーを確立して広島から世界へということにならないだろうか。サンフレッチェにそこまでブランド力になる要素はないだろうか。と考えた時あったのであった。それは選手でもスタジアムでもタイトル数でもない、「広島」そのものだ。「広島」こそ世界中の人が知ってる地名でその「広島」のサッカークラブがサンフレッチェ広島なのである。考えてみればプロスポーツチームで広島と呼ぶチームはサンフレッチェだけなのである。これはまぎれもないブランドなのである。
ぼくが広島にいる頃、正直広島に魅力を感じなかった。政令指定都市といったって都会という雰囲気がなかったからである。そしてどこか刺激がない。だからぼくは東京に行くと全てが変わるような気がした。やはり日本の中心は東京。大阪じゃ駄目だ。東京だという思いで東京に出てきたのである。出てきてみたら正直こんなものかという思いしかなかったが。それだけにそれ以来広島にかける思いというのは強くなっていった。皮肉なことに広島にいる時は広島に愛着がなかったのに広島を出てからいいとこだったと思えるようになった。ぼくのサンフレッチェに対する思いもそういうとこが原点にある。だったら何で広島にいる時に広島へ魅力を感じなかったのだろう。
それはやはり日本の中心は東京だからである。流行の中心、モノの中心、情報の中心、広島なんてのは全て東京から始まったものを大阪を経てやっとたどり着くのだと思ってた。事実そうだった。が、それが東京を介さない流れができたら、広島にいるからこそできること、楽しめることというのがあったら。若者はぼくのように東京への幻想的な憧れを持つよりも広島への愛着を持つだろう。そしてサンフレッチェはその広島というブランドを最大限にアピールして人を惹きつけていけないだろうか。
ぼくは時間が許せば関東のサンフレッチェの試合は行っている。だけどホームに通えるのは2週間に1度の割合でスタジアムでサンフレッチェの観戦をすることができるのだ。それはぼくにとって夢のようなことだし羨ましいと思ってる。だがその感覚を当の広島人は持ち合わせてないのだ。
広島がブランド。世界中の人が知ってる地名で世界中の国で人気のあるスポーツのクラブ。そしてかつてはサッカー王国と言われた風土もある。サンフレッチェも伸び代はあると思う。いささか抽象論になってしまったが何かいい案がないか探ってみよう。
でも広島に住んでないぼくがこんなこと考えても何もならないかもしれないんだよな。
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