雨の日の『エル・ゴラッソ』
激しい雨がぼくを襲う。寒いので上着代わりに着てたカッパが何気に濡れるのを防いでいた。ここまで降ると傘なんて首を守るくらいにしか役に立たない。ぼくが打ち合わせで柏に行ったのはそんな天候だったが無事打ち合わせを終えたので会社に帰る前に食事をしようという話になった。行った先はサイゼリア。ぼくは500円という安さにつられて日替わりランチを注文したのだった。
まあ500円にしては悪くない。しかしこれではぼくの胃袋は満足できない。そんなのは最初から想像はできたが昼食にお金を掛けるのがバカらしいぼくとしてはこれで我慢するしかないのだった。味に無頓着なぼくは味なんてどうでもいい。それより量だ。質より量だ。そんなぼくにとって少ない飯というのは辛いのであった。
食事を済ませぼくは駅まで送ってもらった。一人となったぼくは改札をくぐろうとした時キオスクが目に入った。そこでピンクの新聞『エル・ゴラッソ』が目に入る。会社までは1時間。ぼくはその新聞に手を出してしまったのである。
ぼくはついさっき金をケチって量の少ない昼食を食べてひもじい思いをした。それなのにキオスクで何のためらいもなく130円も出しているのだ。何かすごく矛盾した行動である。こんなのどうせ電車で読んだらそれ以上読まないというのに。
でもサッカーの情報を得るのにこの新聞くらいしか満足できる媒体がない。だからこそつい手が伸びてしまう。これがもっとスポーツ新聞などでサッカーの記事が載ってたらそれ程ありがたみを感じなくなるかもしれない。まさに希少価値があるという点でぼくを惹きつけているのである。
隙間産業とも言えるかもしれない。こんな新聞すぐに廃刊になるだろうと思っていた。だけど熱心な読者はいる。そしてぼくのように目に付いたら買ってしまう人間もいる。これが他にもサッカーの新聞ができるとそれ程買おうという気にならないのかもしれない。うーむ、人間の心理って複雑。いや、もしかしてそんなのぼくだけだろうか。
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