ベットとの出会い
2004.8.29 柏レイソルvsサンフレッチェ広島 柏スタジアム
ベットの逮捕。ぼくは本当に残念だ。それ程の大きな犯罪でもないから示談で済むと思うがクラブは戒めの意味で解雇するだろう。確かに最近試合に出てないので必要ないといえば必要ないのかもしれない。それでもぼくにはこの選手への思い入れがある。こういう形でチームを去ることになればそれは哀しいことだ。それ以上にこのまま試合に出ることなく終わってしまうというのが勿体ない話だ。
ベットが入団したのは2004年の7月。半年契約だったサンパイオの後釜として獲得された。前の年札幌に入団するもアッという間にブラジルに帰ってしまったことで大丈夫だろうかと心配された。しかも2003年から外国人がJリーグ経験のある選手ばかりになってた。それって手堅いがもしかして実際のプレーも観ずにJリーグにいたというだけで選んでるんじゃないかという不安を誘うのだった。2003年のマルセロなんて実際にプレーを観たら使えない選手だというのは歴然としている。ぼくはサンフレッチェ加入前に名古屋でのプレーを観たことがあるがまるで記憶に残らなかった。それだってたまたまハットトリックした試合がありそれだけで良い選手だと判断したのではと憶測してしまった。
そしてぼくは手元に届いた紫熊倶楽部のベットの写真を観た。満面の笑顔。だけどどこかがさつな感じがして野性的なものを感じた。両脇に並んでる織田強化部長が霞んで見える。自信に満ちた、そして圧倒的パワーを持ってそうな笑顔。この選手はかなりできると思ったものだ。そこでぼくは友人にこの選手はいいと言った。その根拠はと聞かれたがぼくは正直に見た目がいいというぼくの言葉に友人は言葉を失ってた。
しかし、柏戦で初めて眼にしたベットのプレーに友人もぼくの眼が正しかったと認めざるをえなかった。この試合で一番動いてる。何よりも先制点を入れたのはベットだ。思ったよりも小さい選手だったが無尽蔵なスタミナを持ってエネルギーに満ちあふれてた。相手へのプレッシャーを行いボールにはよく絡む。というかボールのあるとこには必ずベットがいるのだ。これはいい選手を手に入れた。サンパイオのあなを埋めて余りある。
ぼくはこのベットのゴールが決まるまで外国人のゴールというものに素直に喜べなかった。2001年にコリカが11ゴールを決めたがでも外人だもんなという感覚でいた。でも結局誰でもいいから点を取らないと試合には勝てないのである。得点力不足に泣いてたサンフレッチェだったがベットのゴールはチームに勢いを与える本当に嬉しいゴールだった。
でもそれ以来ベットのゴールってあんまりない。となるとあまり外国人としてのありがたみがない。どっちにしてもチームからいなくなるのだろうか。せめてどこかのJ2のチームでもいいから日本でプレーしてくれないだろうか。とここまでベットに思い入れがあるのもぼくくらいだろう。やっぱりこの選手は使えると宣言して本当に活躍したので思い入れも強くなってしまう。あれ、これじゃあ何か選手として評価してないようじゃないか。
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