Imagine
2006.8.26 鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島 鹿島スタジアム
ぼくは駆け足で電車に乗り込んだ。仕事を早めに切り上げて戻ってきて仲間と車に乗り合いで鹿島に向かう。ぼくはその待ち合わせ場所まで電車で行くのだった。
こんなせかせかと人ごみを掻き分けるぼくは視線も感じる。そう、ぼくは紫のレプリカシャツを着てるものだから目立ってしょうがない。だけどそんなもの一々気にしてもいられない。というかぼくはレプリカを着てスタジアムに向かうことでこんなに応援してるのだというアピールもある。ぼくはそんなもので自己完結の優越感を味わうのだった。
電車で20分ほど揺られ集合場所にたどり着く。調度Mさんも同じ電車に乗っていたのですぐに薬剤師先生の車に乗って出発することができた。高速に乗り鹿島に向かう。
車が潮来を通るとそこはもう別風景だった。同じ関東とは思えないどこか異国の地の感がある。陸の孤島とはよく言われたもので鹿島は本当に何も無い。今更ながらよくもこんなところに4万人規模のスタジアムを建てたものだと感心してしまう。
実は今日も東京からバスが出ていた。このツアーも鹿島の時はいつも満席になるが今回も例外ではなかった。だからぼくはみんなでレプリカを着ようと訴えることなくその役目を看護婦さんがやったようである。そして実際にスタジアムに着いてから気付いたのだが不特定多数の人にフラッグを配って歩いていた。そしてみんなで固まって応援しようと訴えてた。そのせいかアウェイ席の隅に陣取る小学生の集団は皆フラッグをなびかせて声を出してた。何でもその小学生たちは寿人が昔所属していたサッカークラブに縁のあるとこらしい。だから寿人中心に応援をしている。
ぼくは鹿島名物モツ鍋を食べて腹ごしらえした後みんなと一緒に声を出す。しかしその場所は襷の中ではなくその隣り、紫塊と称するスペースである。コアな応援をする人は襷の中へ、手拍子だけ合わせてくれる人や家族連れや座りたい人はその隣りの紫塊という棲み分けだ。ぼくはどうも襷の中に入るのは勢いあまって椅子に立つ人がいるために遠慮してしまう。ぼくは椅子の上に立つのが恐いのだ。元々高いとこが苦手なのでしょうがない。
しかし今日の応援は今一元気がない。それもそのはずサポーターの数が少ない。これは鹿島という場所柄しょうがないことだ。その元気の無いアウェイ・ゴール裏に合わせるかのようにチームも今一つ波に乗れない。これではいかんと声を出そうとするが何かが足りない。そしてその何かが足りないまま前半を終えるのだった。
鹿島のアウェイ・ゴール裏のスペースは年々狭くなってるような気がする。所詮広島のチームなんてそれ程サポーターも来ないと思われてるようだ。まあそれはその通りなんだがそれが逆に狭い空間にみんなを密集させることになってる。だから後半チームが徐々に調子に乗ってきた時応援も波に乗ってきたのだ。そして青山のゴールにぼくらは沸き立った。チームの勢いがぼくらを奮い立たせてくれた。一体になった応援の声、そしてそれに応えるピッチの選手、そしてそのプレーに勇気を与えられるぼくたち。そう、後半はピッチとゴール裏がまさに一体化したような感覚だった。
0-2での勝利。今年は関東での成績がいい。こんな試合をしてるのにホームで勝てないのが信じられない。だけど数年前までは関東の試合ではちっとも勝ってくれなかったんだ。この変化はやはりゴール裏とも無関係ではないと思ってる。数年前より数が増え一体感が出てきた関東のゴール裏。それがピッチの選手とリンクした時とてつもないエネルギーが生まれる。こんなことを考えるぼくは果たして夢想家なのだろうか。だけどそう思うのはぼくだけじゃないはず。ぼくらサポーターが手を組めばサンフレッチェは一つになれるだろう。
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