まどろみに漂う
2006.6.25 W杯決勝トーナメント1回戦 イングランドvsエクアドル シュツットガルト
目が覚めた時は夜が明けていた。TVの画面は付けたまま。ぼくは試合を観ながら寝てしまったのだ。だからぼくはベッカムのFKによる得点はニュースにより知るとこととなる。ああ、これをリアルタイムで見逃してしまった。といっても寝てしまったのは仕方がない。正直ちっとも面白くなかったからだ。
どうもぼくの中でイングランドというだけで面白いという幻想に囚われてるようだ。というかほとんどのイングランド・ファンはそう思ってるだろう。ベッカムとジェラードが同じチームにいるということはディープ・パープルのアルバム『Machine Head』に『Highway Star』と『Smoke on the Water』が一緒に入ってるのと同じように興奮を得られると考えてしまう。が、実際にはそんな興奮などはなくただただ眠いだけのものだった。
そもそもイングランドが素晴らしいサッカーをするというのはプレミアリーグのイメージが大きい。だがぼくを含めてほとんどの日本人がイングランド代表の試合なんて観たことないんだ。だからぼくらはそこに勝手な妄想を入れる。ベッカムがピンポイントでパスをしランパートがミドルを放ちルーニーがゴールを決める。中盤ではジェラードがゲームを造りテリーやファーディナンドが安定した守備を見せる。勝手にこんなことを想像していた。そこは個々の選手の能力が高いということもあるがイギリスを紳士の国というレッテルを持ってることも大きいと思う。
そういえばぼくはイギリス映画が好きで何本か観たが中でも『フル・モンティー』というのがお気に入りだ。仕事もなくプラプラしてる旦那を尻目に婦人達は男のストリップ・ショーに行ってワーキャー騒いでる。あれでイギリスってとんでもない国だなと思ったものだ。そういったとんでもなさ、そう、音楽でいえばセックス・ピストルズのようなハチャメチャさもなくただ気取っただけの雰囲気がある。でもべつのものを思い出してしまった。
大学の時受けたイギリスの歴史と文化。ビデオを使って講義を受けたが血に塗られ暗く陰険な雰囲気。それでいて世界の覇権を握っていてやたらと覚えるべき名前が多かったような気がする。ぼくはその講義はどんなにがんばってもウトウトとしたものである。そして眠りについた。イングランドの試合を観てたように。
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