平常心で
2006.4.29 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 日産スタジアム
普通の日の朝。365日の内の1日。たった一つ、ゴールデンウィークの初日ということを除いて。
いや、これだけのことで十分普段とは違う日なんだがぼくにとって今日がサンフレッチェの観戦日というにはどこか希薄だ。それは変に期待し過ぎて何度も裏切られた最近の試合による。戦力的にも圧倒的に不利な相手。やはり勝てるというイメージが湧いてこない。
これについて一つのエピソードがある。それが2002年のアウェイFC東京戦だ。
この前年辺りから始めたのが試合日最寄駅での集合だ。少ないサンフレッチェ・サポーターでメーリングリストでの告知により駅で集まりお互いそこで顔を合わせるというものだ。そこで初めて顔を知る人もいてそれが徐々にサポーターの輪を広げる要因にもなった。
その駅での集合で身体は弱いがアラブ人のような濃い顔をしてる若者がいた。彼はその風防に似合わず子供好きでよく観戦仲間の子供の相手などをしていた。それなのに本人はちっとも女の子にモテず彼女はいないという。その辺がぼくにはとても親近感を持つのだった。
そのアラブくんはサッカーの知識も豊富で海外サッカーにも詳しい。それなのに彼の愛情を注ぐクラブはサンフレッチェ広島だ。よく海外サッカーに詳しい人はJはレベルが低いと馬鹿にしJは観ないと公言する。まるでそれが通だとでもいうように。まあそれがその人がサッカーと接する上でのステータスと捉えられてるのであればそれはそれでいいだろう。
話が飛んだ。そのアラブくんがその試合の前に力強く言った。
「今日は4-0で勝つ」
それまでなかなか勝ち点を積めない状態であったがそれで上昇気流に乗るということだろう。今にして思えば何の根拠もない予測であるがサッカーの知識の豊富なアラブくんにしても試合前は思い込みが激しくなるみたいだ。そしてその試合のスコアは4-0というアラブくんのスコア予想は見事に当たってしまった。しかしそれはFC東京の4得点であった。
それ以来ぼくは試合前に大量得点で勝つという予想はしないようにしている。あれも久保がシュートに失敗しなければ勝てたような気がする。あれを機に7連敗が始まった。そういう意味であの年は久保が戦犯というイメージがある。
その久保も今はマリノスの選手だ。昨シーズンはその久保にやられた。久保にだけはやられたくないという気がする。それでいて絶対に勝つという意気込みではなく何とか勝ってくれないかなという願望を抱く。気負うことなく淡々とレプリカシャツとマフラーの準備をするのだった。
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