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サッカー観戦用のLINEスタンプ作りました。

よかったら使ってみてください。

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2025年6月 4日 (水)

川崎戦~悔しき敗戦

2025531日 サンフレッチェ広島 vs 川崎フロンターレ エディオンピースウイング広島

 

 いつもいつもやられてしまう川崎。マルスコ加入時に勝って以来まるで勝てない。そして今回はそのマルコスが復帰している。今度こそ勝ちたい。今度こそ立ちふさがりたいとスタジアムの機運も高まるのだった。

 前から出て行って相手のポゼッションを押し下げる。徐々に押し込んでいく中でマイボールにするもその後が続かない。前線に自分で切り込むことができる選手がいないだけに攻撃に迫力がまるで出ない。そんな覚束なさに漂う内に川崎はどんどんポゼッション率を高めていった。パスが繋がって繋がって繋がりまくる。食いついては剝がされる。取りどころがない。奪えないことで防戦一方となってしまうのだった。

 人数で固めてもわずかな隙を縫って入ってくる。それでゴール前に人数を更に集めると今度は遠めからのクロスがフリーになる。フリーになれば正確なボールが飛んでくる。かと思えばマルシーニョが左からドリブルで侵入してくる。つかみどころがない。そんなワンサイドゲームで失点も時間の問題だったもののこれを無失点で切り抜ける。おお、よくやった。かつて大量失点で負けた相手だけに前半スコアレスドローというのはまずまずの結果であると安堵するのだった。

 そして後半に入るとジェルマンに代わって中村を入れる。するとスピードのある中村は右サイドから抉ってくる。縦へ切り抜けクロス。そこからゴールに雪崩れ込む展開。やはり中村が入ると活性化される。それだけに前半の無失点というのが大きな意味を持つようになるのだった。

 ところがそう思った矢先川崎にボールが渡るとするするすると中央を突破されゴール前へ迫られる。シュートブロックからクリア。セカンドボールは再び川崎に渡ると左サイドからペナルティエリアに入ると菅がマーク。だがオーバーラップした選手に縦に出されるとゴール前へ入れられる。GK大迫が触るもファーに流れるとマルシーニョ。ヘディングであっさりとゴールに入れてしまったのだった。

 やられた。

 無力感に支配される。なんだか何の苦労もしないで決めきってしまう。前線で頑張って頑張ってつないで最後の最後に決めきれないサンフレッチェとは正反対である。まだ1点差とはいえ得点力のないサンフレッチェにとっては絶望的な数字であるのだった。

 再び追いつくべく加藤に代え前田を入れる。更に東に代えマルコスを入れるという攻撃的布陣。パスと連動を駆使する相手に個での勝負を挑んでくるのは理に叶った選択であった。実際に中村、前田はボールを持つと仕掛ける。仕掛けることでチャンスは広がっていくのだった。

だが点は入らない。どんなに中村が個の突破でチャンスメイクをしようとも最後はやらせてもらえない。そんな中でのセットプレー。DFが上がってターゲットになる。跳ね返されるも攻撃は続く。左サイドに出るとそこから速い弾道のクロス。GKの前を横切ると荒木が詰めた。決まった。同点ゴールを叩き込んだのだった。

 アラキ、アラキ、アラキーッ!

 やはり決めたのはFWではない。相手の攻撃を防いで自らも得点をする。荒木の存在の大きさに感嘆する。スタジアムの熱気は一層高まる。いける、今度こそはいける。そんな機運が高まるのだった。

 イケイケ、押せ押せムード。あと一押し。今度こそ、今度こそはいける。決めろ、決めきろと誰もが願ってたその時だった。攻撃を防いだ川崎は前線へ長いボールを入れる。それに塩谷が追うもGK大迫との連携がズレることでゴールラインに逃れる。ひとまずはクリアしたもののあんなに圧倒的に攻めてたのにCKを与えてしまうのはあまりにも勿体ない気がするのだった。

 するとこのCKのボールをファーに放つと打点の高いヘディング。数名で競るも折り返され佐々木旭にあっさりと決められてしまったのだった。再び勝ち越し。アディショナルタイム。正に終戦であった。

 このままタイムアップ。無駄に攻めてただけに虚しさが大きかった。本当に川崎には勝てない。負けて負けて負けまくる。毎回毎回この惨めさを味わう。攻めてる時こそ危ない、それを痛感させられた。この苦い経験を糧とすることができればこの敗戦も意味はある。その為にもこの悔しさをじっくりと嚙み締めようと思う。

2025年5月26日 (月)

FC東京戦~4連敗のあとの5連勝

2025525日 FC東京 VS サンフレッチェ広島 国立競技場

 

 4連敗の後の4連勝。単純にこの数字は好意的にとらえることができ、スタジアムへと向かう足取りも意気揚々と軽くなる。が、相手のFC東京にはどうも煮え湯を飲まされた記憶が多い。先制点を入れても追いつかれる、もしくは圧倒的に優位に進めながらも最後は負けてしまった試合があまりにも多い。更に依然FWの決定力不足が解決してないことを思い出すと楽観的な感情は急速に冷え込んできてしまうのだった。

 オリンピックを契機に造られた国立競技場の階段を上り2階席ゴール裏を目指す。まだ建物は新築の清潔感を保っていて案内表示は自分の席を見つけやすかった。が、いざ席に着こうとするも通路が狭く身体が入れにくい。そしてそこから見下ろしたピッチというのは遠く離れているのはどことなく物足りなさを感じる。だからこそ断言できる。これを造った隈研吾、絶対にスポーツ観戦したことがないと。申し訳ないがここには一切のセンスも情熱も感じないのだった。

 それにも関わらず両ゴール裏はサポーターで埋め尽くされチャントが繰り広げられている。アップが終わりアイドルによる前座ショーにより時間を埋められるといよいよ選手入場である。バックスタンド前からは青赤の炎が上がりBGMが鳴り響く。一層熱を帯びる援。珍しくサンフレッチェはホームの紫ユニフォームにより登場するのだった。

 サンフレッチェは連勝中のメンバーをいじくらず王道を貫いてきた。キックオフで前からのプレスを掛ける。それが功を奏したのだろうか、右サイドで中野がアフターチャージを受け早々にFKを得る。ゴール目にラインを揃える両選手。新井の放ったボールはその山を超えファーに流れるも前田が拾い東に落とす。これをゴール前へクロス。DFGKの間を横切るボールに荒木が詰める。一度はポストに当たりながらも身体で押し込んだのだった。

 先制、先制、先制。早い時間での得点は幸先がいい。FWの得点力がない分DFの荒木が仕事をしてくれた。いける、この試合はいけるぞと歓喜に沸いてるところで試合が止まった。VAR。何と、今の場面でオフサイドの可能性があるというのだ。まさかなと思っていたものの主審の笛が鳴り響き判定はオフサイド。ノーゴールとなってしまった。なんてこった。とんだぬか喜びだったと水を差されたもののこの判定には疑問が残る。後で映像で確認もしたもののやはり首をひねりたくなる判定ではあった。いずれにしてもこれで仕切り直しであった。

 その後というもの、両者前に出れず中盤でボールが行きかうだけの硬直状態となった。サンフレッチェもそれを打破しようと右サイドから前田が個での突破を試みるもことごとく閉じられてしまう。カウンターの機会もあったものの前田の放ったシュートは枠を大きく外れてしまう。凡庸で波のない試合。こういう試合は1点取った方が勝ち、そんな様相を呈しながらハーフタイムを迎えるのだった。

 どうにもパッとしない。それは残念ながら両方のチームに言えることだった。後半へのテコ入れに前田に代わって中村が入った。大方の予想通りであったがこの中村、右サイドからの仕掛けを積極にやっていく。そこでぬけていくと前線の選手がなだれ込む。それが引き金となってチャンスはひろがりチームも前を向けるようになるのだった。その流れの中、左サイドで受けた東がクロス。スワーブの掛かったボールが落ちると荒木が飛ぶ。打点の高いヘディング。GKの逆方向へと向かったボールはゴールに吸い込まれたのだった。

 決まった。どわああああっ、と立ち上がるアウェイゴール裏。狂喜乱舞。いつもヘディングで競り勝つ荒木が今度は決めた。均衡を破る先制ゴール。前半の幻のゴールを取り返した。今度は正真正銘文句のつけようのないゴールだった。

 これにより勢いづいたサンフレッチェはより攻勢を強める。そしてやはり切り崩すのは右サイドからの中村のドリブル。クロスはDFにカットされGKへバックパス。これをクリアするも当たり損ね中途半端になるとこぼれ球をジャーメイン。ダブルタッチで左足に持ち替えるとシュート。これがGK野澤をすり抜けゴールに突き刺さったのだった。

 決まった。再び立ち上がるアウェイゴール裏。散々得点力がないと言われたFWジャーメイン。PK以外で初めてのゴールということでやっと決まったという想いが弾ける。決めて欲しい人が決める。これこそチームにエナジーを与える要素なのだった。

 そこからはもうイケイケムードである。相手が前掛かりに来たのを逆手に取ってカウンター。ここで加藤がゴール前まで持ち運ぶとDFの裏へスルーパス。これをジャーメインが打つ。2ゴール目かと思ったそのシュートはゴールの枠逸れて転がって行ってしまうとサポーターはガクッと腰砕けになってしまう。そして今度は逆にジャーメインが出したスルーパスに加藤が入るもシュート入らず。ああ、やっぱりFWの決定力の低さは改善してないのだった。

 そんな時に得点を重ねる絶好の機会が訪れる。エリア内で入り乱れたボールが相手ハンドを誘いPK。キッカーとして加藤がセットするのだった。未だに1ゴールしかない加藤にとっては重要であった。それを後押しするかのような加藤コール。そして主審のホイッスルで静粛に包まれる中蹴った。軌道はGKの逆。その瞬間立ち上がろうとしたサポーター。が、逸れていった。ゴールの脇大きく外れてボールは飛んで行ったのだった。

 ああ、外した。外すにしてもあそこまで外すとは。チームの勝利を決定づけることができなかった以上に加藤自身の記録を伸ばすことができないのだった。

 次、次。それでもポジティブな声が聞こえる。確かにゴールの少ない選手であるが前線でのプレス、中盤でのボールキープというとこでは多大なる貢献をしている。ジャーメインにしても前線での踏ん張りは誰もが認めてるとこである。だからこそ結果を出してほしいという願望も大きくなるのだった。

 そんな想いの中終盤に向けてラストスパートを繰り広げる。またしても右からの突破により中村が抉るとマイナスにパス。これを3列目から飛び出した川辺のシュート。強烈な弾道が飛ぶとDFの足に当たりながらもゴールにぶち込まれてしまった。

 3点目。川辺2試合連続ゴール。これで試合は決まった。アウェイゴール裏のお祭り騒ぎが止まらない。川辺もやっとぼくらの期待値のパフォーマンスをするようになってきたことに深い安堵と僥倖を感じる。そしてこのまま試合は終わり0-3で勝利することができたのだった。

 低調な前半と活況を呈した後半。相手にとって不運だった負傷交代のアクシデント。4連敗した時には今シーズンは残留争いだと覚悟していた。ほんのちょっとのボタンの掛け違いで変わってしまう。その要素の中には国立競技場との相性の良さもあるかもしれない。それでもよくあの泥沼から這い上がったといつまでも称賛の拍手が収まらないのだった。

2025年4月 8日 (火)

セレッソ戦~逆転勝利

2025年4月6日 サンフレッチェ広島 vs セレッソ大阪 エディオンピースウイング広島


 前節の結果を踏まえて中3日にも関わらずほぼメンバーを替えずに元セレッソだった加藤はベンチスタートとなった。その加藤のポジションには前田が入る。圧倒的なスピードとドリブルで仕掛けていきたい。むしろ前田のスタミナが切れる前にいかに得点できるかが鍵となりそうだった。

 この日も満員のスタジアムで試合が始まるとワントップのジャーメインは果敢に前線でのプレスを行いジェルマンも献身的にボールを追う。前線からの連動したプレス。高い位置でのボール奪取が行われると前田のスピードが前線を切り裂く。それに対してセレッソは最後を閉じるも田中が中盤でボール奪取。トップのジャーメインへ当てると前を向きスルーパス。前田が走り込むもタイミングが合わなかった。惜しい。完全に崩した場面だけに勿体無さを感じるも勢いはサンフレッチェにあるような気がしたのだった。

 ところがその時である。GKからの繋ぎで中盤に入る。そしてチアゴ•アンドラーデが受けると中央を切り裂くドリブル。縦に縦に突き抜ける。懸命な走りで中野が戻るもペナルティエリアの前。何とかシュートコースに入ったもののスルーパス。オーバーラップした北野が抉りGKとDFの間へグラウンダー。そこへルーカス•フェルナンデスが入った。ワンタッチで押し込む。電光石火のカウンターにより先制点を与えてしまったのだった。

 やられた。またしてもカウンターだ。しかもこの起点はジャーメインのラストパスが前田に渡らなかったことに起因する。イケイケでゴールは時間の問題と思ってた矢先にやられたのは精神的なダメージが大きそうだった。

 だがこんな逆境にも関わらずホームの声援は止まらない。悲観する暇はない。出足早く相手の攻撃を潰す。田中のボール奪取から縦へのスルーパス。ジャーメインが追いつきコントロール。これを横パスによって逆サイドに振ると新井。止めてからのシュート。ニアに放ったボールは決して威力はなかったが巧みなコースを進むゴールに入っていったのだった。

 アライ、アライ、アライーッ!

 早い時間での同点。これは先制の勢いに乗る相手の出鼻をくじくには大きな効果があった。これで振り出し。いやむしろメンタル的には有利に立てたとさえ思ってしまうのだった。

 ところがここからセレッソはサンフレッチェのプレスを掻い潜るパスワークを見せ始まる。プレスに行けば行く程間を通される。サイドに渡るとクロス。中央で合わせられるも枠に入らない。助かった。だがその後もロングボールを蹴ればDFで処理されセレッソの攻撃は終わることがないのだった。

 守って守って守りきって前半は終わった。この悪い流れを切るべく新井に代えて塩谷を右ストッパーで入れる。そして中野がDFから右サイドへとポジションを上げると右サイドを起点に攻撃が活性化する。前田、ジャーメインがペナルティエリアに入る機会が増える。その流れで前田の股抜きから中野がシュート。完全に相手DFの裏を取ったもののGKキムジンヒョンのブロックに遭う。こういう決定的な場面が続いた。これにアクセルを踏むためにジェルマン、菅に代え中村、東を入れる。が、ショートカウンターからの流れで東がシュートするも枠外。決定力という難題がここでも露呈してしまうのだった。

 かくなる上は右サイドでラインアウトすると中野がロングスローを投げる。これにジャーメインが頭に当てるも枠外。その後、荒木がヘディングするもこれも枠外。ただDFの荒木が上がって来る辺り、完全にスローインをセットプレーとして使っているのだった。これが中野のポジションを上げることの利点でもあるのだった。

 ただし結果として現れてこない。最後の最後、枠に入れられない、シュートが阻まれる。いつの間にか90分に近づきもはや引き分けで終わりだろうかと思った。だがここで再び中野のロングスロー。右サイドからライナー性のボールが飛ぶと荒木が飛び込みファーへ流す。これを中村ダイレクトで蹴り込むとGKとDFの間。正面で加藤が潰れる。その後ろで突っ込んだのは荒木。身体ごとねじ込みつつゴールに押し込んだのだった。

 決まった、決まった、決まった。この時間のゴールは決勝点に近い。逆転、勝ち点3だ。

 そんな喜びも束の間、VARチェックが入る。固唾を飲んで見守る。スタジアムには不穏な空気が漂う。そんな中下された判定はゴール。荒木はオフサイドラインにはギリギリ入ってたようだった。

 それでもアディショナルタイムとして掲示された時間は7分。決して引き過ぎることなくかと言って無茶な攻撃にも出ない手堅いプレーを続けることによって試合を終えた。2-1、2試合続けての1点差の勝利であった。

 連勝。この試合での勝利は大きい。これによって2位に躍り出ることができた。いいポジションにつけている。とはいえ勝ち点にそれ程差の出ない昨今のJリーグ。現状の順位など砂上の楼閣でしかない。それ故にこうして階段を一歩一歩登っていくことに充足感を憶えるのだった。

2025年4月 3日 (木)

鹿島戦~緊迫の中での勝利

2025年4月2日 サンフレッチェ広島 vs 鹿島アントラーズ エディオンピースウイング広島


 オリジナル10の強豪、鹿島アントラーズ。今シーズンは正にそのレッテルを実践し首位を走っている。強固な守備、技術に富む中盤、強力なFW。そこには勝つ為の要素が凝縮され厳しい戦いになるのは容易に予想できた。

 平日にも関わらず満員になったスタジアム。両者のサポーターの声援はいつも以上に大きい。その声と熱気が渦巻く中始まった試合は鹿島がボールを支配していく。前からのプレスはいなされ縦パスを通される。そして次々と前に運ばれサイドのドリブル。そこからエグられると中央にはレオセラナがいる。更に鈴木優磨は至るとこに顔を出してボールに関わる。相手の良さを消すというよりも自分達のスタイルを貫き通す。実際にそれで相手は良さを出せないといった自力の強さを感じるのだった。

 そんな中躍動したのが新加入の前田だった。入団2試合目にしてスタメンに繰り出すとスプリントを繰り返し前線を活性化させる。ペナルティエリアに入りドリブルで仕掛け塩谷とのワンツーからシュート。これは力無く転がりGK早川に処理されるも早速その存在感を見せつけるとその後何度もゴールへ向かっていく動きを見せるのだった。

 左右のどちらにも顔を出し持ったら自らドリブルで仕掛ける。パス主体のチームにあってそれは相当なアクセントとなり相手守備網を揺さる。鹿島優位に進んでた試合はサンフレッチェに傾きつつあった。だがその時である。一発のロングボールがゴール前へ入れられる。チャヴリッチが走る。速い。川辺がカバーに入りGK大迫が飛び出すとキャッチをするも接触。しばらくうずくまる結果となってしまった。

 チャヴリッチの尋常ではないスピードに驚く。サンフレッチェに前田がいる反面鹿島にチャヴリッチがいる。改めてこの試合の難しさを感じたもののその後プレーに戻ったチャヴリッチはうずくまる。接触によるダメージは脳震盪と判断され負傷交代したのだった。

 これにより前田のスピードが一層目立つようになっていく。恐らく90分通すことは考えてないのだろう。走って走って走りまくる。そしてペナルティエリア内ではドリブルで仕掛ける。ゴール前の守備人数が多くなる。すると前田の陰に存在が霞んでいたジャーメインが新井のスローインを受ける。マークを受けつつ反転。相手を出し抜きゴールライン際まで持ち運ぶとゴール前へ入れる。前田のシュート。GK早川跳ね返す。ジェルマンが当てる。そのボールが前田にこぼれると打った。至近距離のシュートはGK早川も反応できずゴールに叩き込まれたのだった。

 マエダ、マエダ、マエダーッ!

 加入2試合目にして早速結果を残した。前線のアクセントのなさ、最後を決め切る決定力、サンフレッチェになかったピースが嵌った。いい補強だった。これ程理に適った補強はないのだった。

 この先制点により前田の勢いは尚のこと進む。左からワンツーでファーに蹴り込む。思わず2点目と立ち上がりかけたものの枠を逸れてしまう。この勢いのまま追加点を入れたかったものの前半を終えるのだった。

 後半、右CBを塩谷から中野へ代える。ここ数試合カウンターで失点してることを考えると理に適ってる。守備だけでなく攻撃にも顔を出す塩谷にはスタミナへの負担が大きい。スキッベ監督もようやくそこに対処するようになったのだ。

 ところが鹿島のビルドアップは容易に止めることができず前線まで運ばれてしまう。曲面曲面ではプレスをかけてはいるものの負けることなく剥がされてしまう。プレスを掛ければ掛ける程裏返されてしまう。そこは個々の選手の技術の高さを感じてしまうのだった。

 追加点を挙げたいものの鹿島に傾いた戦況は変わることがなく、先制点を叩き出した前田を下げ加藤を入れる。更にその後中島、東を投入するも戦局は変わらない。それどころか出場僅か5分で中島は負傷交代。無理を押して出たのであれば何とも勿体無い話である。中村が交代して入ったのだった。

 両者の激しいプレーが続く。こじ開けようとする鹿島に守るサンフレッチェ。球際の攻防が激しくファールになる場面も多くなる。最後はもうこの1点を守るべくゴール前を固める。クリアしてもクリアしても相手ボールになる苦しい展開の中、やっと終了の笛を聴くことができたのだった。

 疲れた。ドッと疲労感を感じた。お互い負傷交代者も出した激しい試合だった。1-0という最低限の勝利である。が、この1点を守ったというのが大きい。そして勝利を目指す上においてこういうタフな試合をこなしていかなければいけないことを思い知らされるのだった。

 3試合ぶりの勝利に酔いしれながらもすぐに次の試合はやってくることに気づき、我に返る。勝てば勝つ程苦しくなる。この苦しさも含めて楽しさでもあるのだった。

2025年3月29日 (土)

京都戦~決定力の差によるスコアの差

2025年3月29日 京都サンガFC vs サンフレッチェ広島 サンガスタジアム by Kyosera

 

 ACL2敗退により一気にスケジュールが抜けた為、1週間明けての再開は幾分気の抜けたものになってしまった。とはいえそれ故にJリーグでの勝ち点はより重要度を増していき、結果を出すことでその沈んだ士気を取り戻す必要がった。そしてそのスタメンにはワントップとしてジェルマンの名前もあった。ACL2敗退の原因でもありここはその責任を取る為にも結果を出したい。ただ、結果を出したいのは加藤、ジャーメインの2シャドーも同様である。結局のところ攻撃陣が点を取らないことによって勝ちに持ち込めない試合が続いてる。それだけに今日こそはという気概を持って臨んだ試合だった。

 立ち上がり、ロングボールが飛び交う。京都のボールにはDF陣が跳ね返すがマイボールにした後の京都のプレッシャーが速く前線へのロングボールになってしまう。そしてそのボールは最終ラインを抜けGKまで渡ってしまい再び京都が前線目指してロングキックというボールが空中で飛び交うだけの展開になってしまう。が、徐々にサンフレッチェのDFラインも相手のプレスを回避できるようになりパスが繋げられるようになる。左サイド東からの展開でジャーメインがボックスで落とし塩谷のミドル。これが枠に入らない。が、いい展開の攻撃だ。チャンスはつくっていけそうだった。

 それからというものジャーメインをターゲットとしたボールが飛ぶ。相手のマークを受けながらも身体を捻じ込み収める。そこからシュートに持ち込む場面もあったもののこれがまた入らない。加藤も遠目からのシュートを放つもこれも入らない。どうもこの二人は入る気がしない。中盤でのボールへの関わりは秀でたものを持ってるもののアタッカーとしては物足りない。だがそれでもマシに思えてしまうのはジェルマンの存在感のなさのせいだった。まるで一人少ないのではと思ってしまう希薄さである。ああ、これは後半交代だろうと思っていたもののそのまま続投。あくまでも試合の中で連携を確立していくという考えのようだった。

 そんな中でジェルマンに決定的チャンスが訪れる。高いライン設定をした相手DFの裏へ落ちるボール。ヘディングでワンタッチで落とすことにより抜け出した。GKと1対1。ここでストライカーとしての技術を見せるべく放ったシュート。が、これをGKは右足を出しブロック。CKに逃げられるのだった。それでもCK。まだこちらの勢いは続くと思っていたもののこのCKがまるで入る可能性のないボールばかり入ってきて余裕でクリアされてしまう。もはや百万本蹴っても決まらなさそうな雰囲気を醸し出してしまうのだった。

 点が入らない。そのジリジリした展開にまたしても裏を取られカウンターを受ける。後追いになりながらも懸命に戻るDF陣。ドリブルのコースを切ったかと思うと逆サイドへのグラウンダーパス。そこに入ったエリアス。塩谷が遅れて防ごうとするも2タッチで打った。これがGK大迫の手が掠ることもできないコースに決まり失点してしまうのだった。

 ああ、またやられた。またもや同じカウンター。4試合連続で同じパターンでの失点である。結局前が点を取らないが為に全体的に前掛かりになって跳ね返されたところをやられる。そして何よりも京都はこういう場面でエリアスはきっちり決める。ジェルマンは決められない。その違いがスコアとなって現れてしまうのだった。

 その後ジェルマンに代えて中村草太が入る。チームで一番点を取ってる選手が入ることで得点への期待が高まる。が、驚いたことにここから余計にチームに得点の気配がなくなってしまう。攻撃はどんどんワンパターンになっていき京都のDFは完全に読み切った対応をしてくる。サイドからの縦へのスルーパス。それが何度やっても閉じられてしまう。むしろそれしかできないことに京都は余裕すら感じていそうだった。

 新井、越道、菅と入れていき最後に新加入の前田を投入していく。するとこの前田が単独での突破を図っていく。ペナルティエリアを抉ってクロス。これに菅が合わせるも枠外。完全に崩したかに見えた場面もやっぱり最後が決め切れないのだった。そしてその決定力のなさは時間と共に余計に単調となり最後はロングボールで運を天に任す展開になっていくもののそのほとんどは相手GKへのパスにしかならず京都にしてみればなんの脅威も感じることもなくそのまま1-0で試合は終わってしまったのだった。

 何もできなかった。

 そんな無力感に囚われた。特にジェルマンの存在感のなさは全くチームとしての上積みを感じさせなかった。むしろACL2がジェルマンが出たが故に敗退が決まったようなもので正直いない方が良かったくらいである。これが拙速な判断であればいい。いや、むしろこのような発言をしたぼくが揶揄されるくらいに活躍して救世主となってもらえれば本望である。

 ただ、現状において本当にアタッカー陣が点が取れないのが苦しい。加藤、ジャーメイン、ジェルマン。そのアタッカー3人で決めたのはPKによる1点だけ。苦しい。本当に苦しい。やはりサンフレッチェに来るとみんな点が取れなくなるんだろうか。シュート11本打って決められないサンフレッチェに対してシュート6本できっちり決める京都。このスタッツに目が眩みそうになってしまうのだった。

2025年3月16日 (日)

柏戦~同じパターンの失点

2025年3月16日 サンフレッチェ広島 vs 柏レイソル エディオンピースウイング広島

 

 ACL2の敗退。2戦合計すると7-2という圧勝だったものの運営側の瑕疵により不利な条件を突きつけられ第2戦で3点差をつけて勝つという条件を達成できなかった。その虚しさ、悔しさはとても言い表せないものであり、簡単にその傷を拭い去ることができない。だが、ここで負けると悪い流れを書き込んでしまう予感はする。中3日という厳しい条件であるがここで勝つかどうかというのは今シーズンを占う上での大きな分岐点となりそうなのだった。

 対する柏は同じ3バックでミラーゲーム。個々での局面での戦いが大きく左右しそうだった。3位と4位の戦い。順位的にもこの勝敗は両チームにとって大きく影響するのは明白なのだった。

 キックオフから高い運動量で前に出るサンフレッチェ。高い位置でのボール奪取を目指す。それが功を奏しマイボールを支配することができる。ただ、柏も球際へのプレスが速くなかなか前が割れない。中盤に戻すと中島に入る。そこからスルーパス。右サイド中野が走るとゴールライン際からグラウンダークロス。ゴール前に入ったジャーメインのシュート。が、枠に入らなかった。無情にもゴールポストを逸れて転がる。ああ、ジャーメイン。あれは決めてくれよ、あれは。前線でのターゲットとしては抜群の収まりを見せてるジャーメインだが最後の決定力だけがないのだった。

 そんな前線でのプレーにヤキモキしている内に柏はペースを掴んでいく。パスで前線へと進んでいくとショートパスで最終ラインを突き崩していく。翻弄されるサンフレッチェディフェンス。捕まえきれない。そしてシュートまで持っていかれると肝を冷やされる。枠に入らなくて救われた。簡単にエリア内に入られフィニッシュに持ち込む。その効率の良さは完全にサンフレッチェを凌駕していた。

 そのプレーから柏はサンフレッチェ陣内に入ってくるようになる。右サイドを抉られると塩谷がマークに付くことで追い込んだかに見えたもののそこから力技で突き破られサポートに来た選手もかわすことによりシュート。ファーサイドにいた選手が頭で押し込み決められた。が、ここでVARが入る。判定はオフサイド。助かった。わずかに出ていたようだ。これがノーゴールとなったのは運も持ってる。この運を活かしたい。が、前線にボールが入らなくなってしまい完全に柏ペースとなり、無失点でハーフタイムを迎えたことにホッと胸を撫で下ろすのだった。

 後半、メンバー交代はなかった。攻められた場面もあったが悪くはない前半だっただけに代えにくさはあった。だがやはりこう着状態は続く。前線にボールが入っても最後が突破できない。そんな中、先に動いたのは柏で2枚交代してきた。それに呼応してサンフレッチェもメンバーを代える。中野にから新井、中村から越道。この交代でアタッカーの中で唯一得点力を持った中村を下げざるを得ないとこに苦しさを感じる。ジャーメイン、加藤。この二人は前線のプレスと繋ぎの面では大きな貢献をするものの得点力を持ち合わせてない。そこに元々サイドプレイヤーである越道を入れるというのはどことなく得点の香りというものを感じないのだった。

 ところがここで中盤の中島にボールが入る。そこから右サイドのスペースに出すと越道がクロス。ファーサイドに流れたボールに東が向かうと左足ボレー。鋭いボールが飛んでいく。次の瞬間、GK小島の届かないゴール角に突き刺さって行ったのだった。

 ヒガシ、ヒガシ、ヒガシーッ!左サイドから駆け込み点で合わせた。よくぞここに入り込んでいたものだ。そして越道もよくここにクロスを放つことができた。これは元々越道が右サイドを主戦場とする選手だったことも大きいだろう。前線が決められないだけにこういうサイドの選手が決めるのは貴重な要素だった。

 追いつきたい柏は前掛かりになる。その圧力に屈しそうになり何度か崩されるも佐々木の懸命なブロックにより難を逃れる。だがその守備は紙一重である。そこで柏は今度は3枚代えを行いエースの細谷を入れてくる。これに対してサンフレッチェは交代はしない。このままのメンバーで追加点を取りに行く。だが前を割れない。行き詰まって後ろに下げると相手に渡りそうになるとこを塩谷が頭で中島に繋げる。素早い寄せが中島に入るとダブルタッチでかわしたかに見えたその時、後ろから湧き出た柏の選手にボールを掻っ攫われる。そこからカウンター。柏の速い縦への推進が始まるのだった。

 全速力で戻る塩谷。中央と逆サイドにも走られ佐々木も戻る。縦のドリブルに追いつかない。そして深い位置まで入られると逆サイドへグラウンダー。それを細谷がピンポイントでゴールにねじ込んでしまったのだった。

 同点。追いつかれた。攻撃の場面で中島のミス。そしてこの後のカウンター。なんかいつも同じパターンで失点してる。前線が決めないから余計な動作が多くなりそれにより遅くなった攻撃を補う為に後ろから攻撃参加して薄くなったとこをミスによってカウンター。しかもこのカウンターを交代した選手がやってることで柏の采配が的中したというのも後味の悪さを残した。そしてこの後勢いを持った柏が一方的に攻め立てるようになっていくのだった。

 防いでも防いでも断ち切ることのできない柏の攻撃。クリアしてはセカンドボールを拾われもはや防戦一方。流石にサンフレッチェに疲労の色が見えてきた。ただそれでも交代をしないスキッベ監督。ベンチのメンバーに最後の数分を戦うチャンスを与えることなく終了のホイッスルが鳴ったものの正直救われたのはサンフレッチェの方だった。

 それでも悔いは残ってしまう。どうしてリードしてたのに前掛かりの攻撃をする必要があったのだろう。中盤で奪われてカウンターになってしまうというのが不思議でしょうがなかった。試合の進め方に問題があったのは否めない。

 それもこれもやはりアタッカー陣の得点力不足に起因しているのだろう。それもこれもトルガイが怪我で離脱したことによって中央を崩すことができなくなったのも大きいだろう。開幕前はシャドーに人材が豊富にいると思っていたが何故かカツカツの状態になっているのだった。

 ジャーメインもPK以外にリーグ戦は得点がない。加藤にもない。この二人をアタッカーとして使い続けないといけないというのが厳しい。それだけに1点差を守りきれなかったのは痛かった。こういう残念な引き分け、結局勝ち切れなかった昨シーズンの記憶が蘇る。どうしてサンフレッチェに入るとみんなシュートが下手になるんだろう。果たしてそんな疑問を感じなくなる日は訪れるんだろうか。それでも負けなかったことはACL2敗退から負のスパイラルに陥ることから何とか踏みとどまった気はするのだった。

2025年3月 2日 (日)

横浜FC戦~ギリギリの勝利

2025年3月2日 サンフレッチェ広島 vs 横浜FC エディオンピースウイング広島


 頑なに固定メンバーを貫いてきたもののさすがにこの連戦には無理があると判断したか、若干の入れ替えをしてきた。中村はリーグ戦初スタメン。そしてボランチの井上詩音は今期公式戦初スタメン。何よりも全所属チームとの対戦だけに期するものがあるだろう。ただ、この入れ替えによって機能するのか不透明な部分はあった。

 多少の不安は抱えつつ試合は始まった。同じフォーメーションによるミラーゲーム。1対1での対応が多くなり局面での攻防が鍵になる。横浜FCは右サイドでのドリブルから縦を目指しトップの櫻川ソロモンをターゲットにする。この櫻川、ガタイがよく圧倒的なフィジカルがある。さすがの荒木もこの選手を封じるのは手を焼きそうだった。

 そんな時である。右からの侵入に横一戦に並んだディフェンスライン。その間を縫ったスルーパスに櫻川の飛び出し。これをGK大迫をかわす力の抜けたシュートを打つとゴールに吸い込まれた。ああ、と頭を抱え込んでしまうとオフサイド。副審の旗が高々と上げられていたのだった。

 助かった。でももしかしたらラインコントロールの賜物かもしれない。いずれにしてもこれにより依然、スコアは0-0のまま動かないのだった。

 ここからサンフレッチェはボールを支配する時間が増えていく。DFから左右に振り中央で井上詩音が受ける。相手の寄せが速く奪われたと思ったらドリブルで切り抜ける。そして守備になれば相手の動きを予測して捕まえる。それによって再びマイボールになるといういい循環を生み出しているのだった。

 ところが横浜FCの守備も強度がありなかなかアタッキングサードまで持ち込めない。後ろで回すプレーが多くなる。そこへプレッシャーをかけられGK大迫まで下げてしまうとロングキック。これが追い込まれた故のクリアに見えた。が、前線にジャーメインがいることで話が変わってしまう。CBとの競り合いを制しボールを収める。そこを起点として全体の押し上げをすることができるのだった。

 パスで繋いで繋ぐが隙が見えない。相手がプレッシャーに来るとまた下げるので相手も前からプレスをかけてくる。だがそこで逆を突き左サイドに出すと東がフリーに。ゴール前へ向かって長いボールを蹴る。これをジャーメインが受けシュート。が、これをふかしてしまう。ああ、この絶好のタイミングを逃してしまった。それでも中村のスピードにより左サイドのポケットに躍り出るとグラウンダーでゴール前へ。加藤がスルー。そしてジャーメイン。が、これもまた枠には入らない。シュートに行くまでは完璧なのに肝心のシュートが決まらない。やはりサンフレッチェに来るとシュートが決められなくなるのだろうか。それとも連戦による身体の重さからなのだろうか。他にワントップの選手がいないだけに確かにジャーメインの負担は大きいのだった。

 何とか横浜FCの壁を突き破りたい。そこで後半から東から菅という定番の交代を行う。ここからギアがアップして菅のキックからジャーメイン。トラップをするもまたしてもふかした。チャンスはあっても決めきれない。結局いつものサンフレッチェになってしまった。ここで川辺、井上詩音を下げ、中島、田中を入れる。中島が逆を取り相手の意表を突くと右サイドへ出すとクロス。GKが弾き飛ばすと田中がボレー。鋭い飛び出しだったものの枠を超えてしまう。惜しいとこまでは行く。あと少し。あともう一歩である。ここで切り札のトルガイを入れてきたのだった。

 途中出場のトルガイは尚更そのテクニックが光る。奪われたと思ったらかわしチャンスを演出する。そしてドリブルにより縦へ突き進むと中村が裏を突く動き。オフサイドにならないタイミングで出すとゴールに向かう中村。GKフェリペが飛び出す。中村の鼻の先でクリア。が、中村の脛に当たるとそのまま勢いを持ってゴールに入った。決して狙ったものじゃない。だけどあそこへ走ることによってゴールという結果になったのだった。

 決まった、決まった、決まった。遂にこじ開けた。大卒選手は即戦力という位置付けではあるがそれでもデビューから公式戦5点目。こういう結果を出せる選手が欲しかった。大学No.1の呼び声は伊達じゃなかったのである。

 当然横浜FCは点を取りに前掛かりになる。それを逆手に取りカウンターの発動。中村のスピードが活きる。が、ここで掴まれることにより進路妨害を受ける。当然ファールの判定は出たもののカードは出ない。それは驚愕以外の何者でもなかった。これならピンチはファールで止めればいい。それは果たしてサッカーの競技として成り立つのだろうか。

 このFKは不発に終わり尚更その想いが強くなるも、最後の交代として新井に代えて中野を投入する。ここでまた一段ギアを上げるつもりだった。が、トルガイが相手との接触により倒れてしまう。一向に起き上がる様子のないトルガイ。トレーナーからはバツの表示。ああ、トルガイが負傷してしまった。そして目下この試合においてはもう交代枠が残されてないという問題が起こってしまったのだった。

 一人少なくなってしまったサンフレッチェは自陣でブロックをつくり守備に特化する。相手はサイドのドリブルを起点に崩しに掛かる。マンマークで付いていくがクロスが上がる。GK大迫のキャッチにより息をつける。だがそこからのロングキックから時間稼ぎに徹する。それでも数的優位の相手に大した時間は稼げず再び攻められる。ブロックをするもCK。最後はGKまで上がってゴール前へ飛ぶもクリア。これで長いアディショナルタイムも終えホイッスルが鳴り響いたのだった。

 勝った。喜びに沸くというより安堵のため息が出る。スタメンを替えた中で勝てたのは大きい。ただトルガイが負傷したのは痛い。この先を考えるとトルガイの離脱は大きな損失であった。

 結局今シーズンも選手の怪我に悩まされる。果たしてこれは呪いがあるのだろうかと思う一方、やはり接触プレーを過度に流すジャッジには疑問を感じるのだった。トルガイ、大怪我でないことを祈るばかりであった。

2025年2月27日 (木)

清水戦~塩谷の同点ゴール

2025年2月26日 清水エスパルス vs サンフレッチェ広島 IAIスタジアム日本平


 山の上、日が落ちた後のナイトゲームは震えが止まらない寒さだった。そしてゴール裏に吹いてくる風は過酷さを上積みする。この天候はキックの精度に難を与えそうだった。だが風を味方につければ大きなアドバンテージを得られそうでもあった。

 コイントスで風上に陣地を取った。これは有利な前半の内に点を取りたい。むしろ前半の内に点を取らないとみすみす相手に利を与えるようなものだ。何とか前半の内に。何とか前半。が、キックオフのボールを支配したのは清水だった。

 左サイドを切り裂かれ縦へと抉られる。完全に後手に回った佐々木が追いかけるも角度のない位置からシュート。外れた。正直助かった。以後似たような場面が続きサンフレッチェは防戦に回ることが多くなるのだった。

 そんな劣勢に陥るのもパスの精度の悪さに起因した。そしてそうさせるのは前線での動きのなさも大きかった。やはり連戦の無理が祟ってるのだろうか。前節から中2日。過密スケジュールではある。しかもスキッベ監督はターンオーバーをしない。そんな中唯一の入れ替えをした右サイド、新井はちっとも攻撃に絡めない。両サイドからの崩しが特徴のチームにあってクロスがちっとも上がらない。それどころかサイドのポケットと言われるスペースにボールを引き出すことができないのだった。それに引き換え清水の両サイドはドリブルを果敢に仕掛けてくる。1人剥し2人剥し脅威を与える。両者の迫力の差は歴然としているのだった。

 そんな時である。清水の分厚い攻撃にシュートを防ぐもセカンドボールを拾われ左サイドを破られるとマイナスのクロス。これにGK大迫が触ると方向を変えたボールが荒木に当たる。そしてそのリフレクションはゴールに入ってしまったのだった。

 失点。オウンゴールだった。ああ。がっくり項垂れてしまう。この展開で失点してしまったのは痛恨だった。どこをどうやっても点が取れそうもない。風上を利用してミドルシュートを打つことがない。FKを得ても東は無難な球ばかり蹴って弾き飛ばされる。後方からのキックも目測が定まらない。どこをどうやっても光が見出せない中、トルガイだけはボールをコントロールしていた。そして田中もいいパスカットを見せている。それでもパスが前にいかない。後ろで回してばかりいる。そうしてる内に清水はジリジリとポジションを上げ追い込むことでGK大迫まで下げさせる。それによりロングキックで対応するも風で乱れたボールはなかなか収めることができない。それでも何とか再び失点することなく前半を終えることができた。

 後半、サイドのテコ入れに新井を下げDFの塩谷を入れた。中野をWBに上げることにより活性化を図ったがやはり清水の猛攻は続く。そして今度は左サイドに東との交代で菅を入れるとやっと矢印が前に向くようになった。CKを奪い菅が蹴る。ゴール前で弾き返されると塩谷の前へ。これをダイレクトで蹴り込む。縦回転の掛かったドライブシュートはゴール前の山を越えてゴールに吸い込まれていったのだった。

 同点、同点、同点!塩谷の狙いすましたシュート。早速選手交代が当たった。ここから反撃。反撃行くぞ。

 最前線のジャーメインの運動量が増してくる。後半の方が動き回ってるように見える。前線で踏ん張りボールを落とすことでチャンスを演出する。人数を掛けたゴール前でシュートモーションからパス、パスと繋ぎ正面へ落とす。そこを加藤がシュート。が、入らない。ゴールの上を無常に超えていく。ああ、こういうとこを枠に入れられない。勝ちきれない時の悪癖が蘇る。密集でジャーメインが粘ってシュート。これもブロックされ枠に飛ばない。あとひと押し。あとひと押しがあまりにも遠いのだった。

 GK大迫のロングキックは風で予測不能の軌道をすることでピンチにもチャンスにもなる。ただ幸いなことに清水が追い風に乗ってミドルシュートを打ってくることがない。ただその分スルーパスからドリブルでの仕掛けが多く両サイドが切り裂かれる。残り時間は少ないがもはや防戦一方。何とかクリアしたとこで終了のホイッスルが鳴ったのだった。

 引き分け。前半と終盤の一方的な展開を考えると良かったのかもしれない。それでも前半の流れの悪さは悔やまれる。せっかくのターンオーバーで出場した新井が全く機能しなかったのはショックであったしこれ以降の連戦に影を落とすことになった。

 寒さで震えが止まらない中、一向にスタメンを脅かす選手が出てこないことにもどかしさを感じるのだった。

2025年2月23日 (日)

マリノス戦~開幕2連勝

2025年2月23日 サンフレッチェ広島 vs 横浜Fマリノス エディオンピースウィング広島


 空に太陽はなくホーム開幕戦という晴れの舞台は震えるような寒さでの開催となった。まだ2月ということを順当な寒さなのかもしれない。寒さにも凌ぎ夏は暑さにも耐え、改めてサッカーとはやる方も観る方も過酷さを強いられるものだと思い知らされるのだった。

 前節が昨年3位の町田で今節は強豪マリノス。その間にACL2も戦っているのだから選手も過酷である。そんな中でメンバーは前節と一緒。連戦の選手にコンディションの不安がありつつも試合は始まった。

 連戦の中でも勝ってる勢いか、主導権を握った戦いが繰り広げられる。左サイドからつくり右サイドへとロングフィード。それを受けた中野が早いタイミングでクロス。が、合わない。それはクロスの精度に難があったもののマリノスの寄せも速くいい体勢でクロスを蹴れないというのも大きかった。

 とはいえボールを握ってる限り攻められることはない。フィニッシュまで至らないというもどかしさはあるものの失点のリスクはない。前線からの守備は効いてる。相手のロングキックは荒木が全部跳ね返す。これは鉄壁。と思っていたもののマリノスはほんのわずかな綻びを見つけて攻め上げてきた。全速力で戻るサンフレッチェ。ボールへ寄せ前を塞ぎカットインするもそのわずかな時間で守備を固めたサンフレッチェはゴールに鍵をかけた。それによりシュートを打たせない。際どいアタッカーがいるものの効果的な仕事をさせないのだった。それには守備陣の奮闘、それに加えてボランチの川辺と田中によるボールへのアタックが効いているのだった。

 そういう一進一退と言っていい展開の中で中盤からスルーパスが出る。ここでジャーメインの抜け出し。が、間に合わなかった。ほんの一歩間に合わなかった。タイミングが良かっただけにこれをモノにできなかったジャーメインは悔しさが残るだろう。というのもワントップでありながら未だに公式戦でのゴールがないからだった。

 実際にあれが決められなかったのは痛い。でも前線でターゲットとなり高い位置でのプレスも厭わないジャーメインだけに批判の目は向けられない。だが果たしてこのマリノスから次なるチャンスは訪れるのだろうか。

 後半、東に代わって菅が入る。鉄板の交代だ。これで左サイドに変化を与えると相手の低い位置でのボールを田中がもぎ取り右サイドへ。加藤がクロスを入れる。それをボックスに入ったジャーメインがシュート。が、DFのブロック。またチャンスが潰されたと思った瞬間笛が鳴った。何があったかわからない中主審が指差したのはペナルティスポット。PK、PKだ。オーロラビジョンにリプレイが映るとそこにははっきりと手に当たった映像があったのだった。

 ここで喜んだもののそれは一瞬のことだった。というのもサンフレッチェの選手はPKが下手なのだった。唯一信用できるのはトルガイ。だがボールをセットしたのはジャーメイン。自身で奪ったPKを自身で決めたい。それ以上に初ゴールを決めたいのだった。

 ボールの後ろでじっと待つジャーメイン。主審の笛が鳴ると迷うことなく助走に入る。そのままボールに向かう。あまりにも駆け引きのないモーションにキックをするもGK朴一圭の読みは当たった。が、ゴール隅への地を這うボールは朴一圭の手に触れることもせず入っていったのだった。

 決まったーっ!

 思わず立ち上がる。固い固いマリノスの壁をこじ開けたのはPKだった。これは運がいいとも言える。だがクロスが入るタイミングでゴール前にいたジャーメインのポジショニングによるものでもあった。サンフレッチェに移籍してからの初ゴール。それは本人にとって憑き物が取れた開放感があっただろう。

 このジャーメインのゴールによってスタジアムは盛り上がる。そこで一層攻撃を畳み掛ける。マリノスのファールからFKを得ると菅のキックから佐々木。ヘディングが決まったと思ったもののこれはGK朴一圭が抑えた。やはり最後の最後にこういうGKがいるというのは大きい。

 追加点を入れれば楽になる。ギアを入れる為にトルガイに代えて中村が入る。3試合連続ゴール中の勢いに賭けた。が、ここから雲行きが怪しくなりマリノスの攻勢が目立つようになっていった。左サイドで菅が再三2人を見なければいけない状況に陥り前をチェックすると後ろがフリーに。だがそこに田中がフォローすることで上手く穴を防ぐ。そして時間が過ぎることによって段々と1点を守ることに主眼が置かれるようになった。

 相手の攻撃には人数を掛けて守る。僅かなスペースを通してくるマリノス。更に人数を掛けて追うDF。球際の争いが激しくなりファールの判定も出てくる。FKに対しては跳ね返す。CKも跳ね返した。苦しい。苦しいがあと少し。クリアのようにハッキリしたプレーが多くなる。アディショナルタイム。時計の針を進めさしてやっと響いた終了のホイッスルに勝利の雄叫びを上げるのだった。

 勝った、勝った、勝った。シュートが打てずPKの一本で決まった。そしてそのPKによりジャーメインにゴールという数字がついた。ここから得点を重ねていけるのではないか。2連勝。同時並行でACL2も戦ってるだけにまだ2試合しかしてないのかと気の遠くなるとこもある。だけどそれは勝ってるチームの宿命。その宿命に楽しんでいこうと思うのだった。

2025年2月17日 (月)

町田戦~開幕戦勝利

2025年2月16日 町田ゼルビア vs サンフレッチェ広島 町田GIONスタジアム


 鶴川駅のバス乗り場は長蛇の列が連なっており、これなら徒歩で1時間の方がいいかと思っていたとこに現れたバスは2輌連結だった。待機列はガバッとバスに吸い込まれ自分も乗れてしまったことに驚きを感じた。そして20分の乗車後降り立ったスタジアムにはもう観戦客でごった返していた。さすがは開幕戦は客が集まるんだとスタンドに入る。すると自由席にはまだ余裕がありやはりこのロケーションで人を集めることへの困難さを感じるのだった。

 すでに2試合消化してるもののJリーグとしては開幕戦。町田も新加入選手が多くこの試合に賭ける想いは強い。昨シーズン2位、3位の対戦ということでお互いこの一戦の重要性を噛み締めてるのだった。

 サンフレッチェのメンバーは替えることなく連戦である。そんな中でのキックオフ。両チームのサポーターの声援が鳴り響く中、町田はロングボールを使ってきた。ただ、空中での競り合いは荒木が強さを見せ弾き飛ばす。ところがそのセカンドボールを活かせない。どうにもマイボールが前に行かない。どことなくモタモタしてる。これは町田が上手く蓋をしていた。右サイドで加藤が受ける場面が何度かあったものの外に追いやられて行き詰まる。サポートがないというのもあるが加藤自身も精彩を欠きキープ力が出ない。その結果陣地深くに侵入できないのだった。

 そんなモタツキの中、ショートパスで相手を外し左サイドにボールが出る。完全に相手を出し抜いたと思ったもののこれを東がトラップミス。絶好のカウンターのチャンスを潰すと流れは一気に町田に向いてしまうのだった。

 重心が重くなり守りが多くなる。球際で奪ったと思ったらファールでFKになりクロスを防いだかと思ったらCK。終わらない相手の流れ。なんとか流れを断ち切りたいとGK大迫もゴールキックになった際にはなるべく時間を掛ける。だがそこから蹴るロングボールはことごとく町田が収めてしまう。制空権を取られヘッドで繋がれる。そして真ん中で相馬がコントロールするとマッチアップした塩谷を引き剥がす。右サイドのスペースにドリブル。ドリブル、ドリブル、ドリブル。にボールを出されると相馬がドリブルで縦を抉ってきた。川辺がカバーに入る。スライディングはかわされた。それにより前が空き左足でシュート。地を這うボールがファーに走る。GK大迫が反応するも届かず決められてしまったのだった。

 ああ、なんてこった。一番警戒しなきゃいけない選手に一番嫌な形で決められてしまった。まだ試合は前半。いくらでも立て直すことができる。が、そんなポジティブな感情が湧かないのは昨シーズン一度も逆転勝ちをしたことがないからだった。失点により外に火がついたように前掛かりになっていく。でも効果的な攻めができない。東や川辺が蹴るCKもどこか脅威になってない。唯一の有効な攻撃が中野のロングスローという状態は苦しさがあった。

 このままハーフタイムを迎え後半は東に代わって菅が入った。今シーズンの鉄板の交代である。そしてその菅がセットプレーのキッカーを務めることでヘディングでシュートまで行けるようになった。そこから徐々にセカンドボールが拾えるようになるとプレスも嵌まるようになる。ボールが回るようになると相手はファールが多くなる。そこで菅のFKといういい循環ができるのだった。

 右サイド浅い位置からのFK。一旦は弾き返されたものの加藤がヘディングで前に飛ばす。そのボールに反応したトルガイ。裏に飛び出すとと足を伸ばしアウトサイドで当てるとそのままゴールに押し込まれた。


 決まったあ!

 崩せない、崩せない町田の壁を遂に突き破ったことでドワああっと盛り上がる紫のサポーター。トルガイはサポーター席への鼓舞をして一層盛り上がる。チームが不調だったが故に一段とそのテクニックが光っていたが同点ゴールという結果も出してしまった。改めてこの選手のレベルの高さに感服するのだった。

 ここで町田は点を取る為アタッカー中心に3枚替えを行う。ここでサンフレッチェもトルガイに代えて中村草太を入れる。出だしから高い位置でのプレスで存在を知らしめる。その中でワントップのジャーメインのプレスも効いてくるようになった。高い位置でのプレス。身体を捻じ込み奪い切ると前が空いた。遠目からのミドルシュート。強烈な弾道。GK谷の真正面。が、弾いた。そのこぼれ球へ猛烈なスピードで突っ込んできた選手が中村。ボールを押し込む。DFもいる中で相手に当たりながらもゴールに叩き込まれたのだった。

 中村、中村、中村!Jリーグデビュー戦に決めてしまった。しかも公式戦2戦連発。大卒ルーキーは鮮烈なデビューを果たした。途中出場で決勝点を決めたという選手は昨シーズンはいなかった。ジョーカーとなる選手が現れた。鳴物入りでの入団だったがその実力は抜けていたのだった。

 このゴールは町田が3枚交代をした後だっただけに精神的なダメージを与えた。それでも最後まで諦めないプレーを続けボックスの中まで侵入する場面をつくりだす。やはり脅威はなくならない。もはや低い位置からは大きく蹴り出す安全策を行う。そんな割り切った対応はアディショナルタイムをやり過ごし、やっと終了の笛が鳴り響いたのだった。

 勝った、勝った、勝った。苦しい試合だったけど勝つことができた。しかも逆転勝ち。いいスタートが切れた。だが結局この試合も交代でピッチに入ったのは菅と中村と越道の3人。他の選手が出場できないとこに課題も見えるのだった。それらを踏まえてどんなシーズンになるだろう。ポジティブな思考になり、これから長い帰路の道があるもののそれ程苦にならないのだった。

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    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
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     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
  • ニック・ホーンビィ: ぼくのプレミア・ライフ
     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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