2019年3月17日 (日)

松本戦~得点者、サイドプレイヤー

2019317日 サンフレッチェ広島vs松本山雅FC エディオンスタジアム広島

 

 昇格組の一つ、松本。メンバーを観るとかつてサンフレッチェでデビューした橋内がいた。まだスタメンで出てることに嬉しさを覚えると共にもはやそれを知ってる人もどれだけいるだろうという気がするのだった。

 日中とはいえまだ肌寒さのある季節。ただ、サッカーをするにはちょうどいい気候である。その利点を生かし松本はハイプレスを掛けていく。パスで切り抜け攻撃の糸口を見つけるのだが、時折プレスの網に引っ掛かりカウンター。前田がドリブルで抜け出すとスピードがあった。全速力で戻ることで何とか食い止めることができた。守ってカウンター。前半は0-0でいい。松本の狙いは明白だった。それだけに前半の内に点を入れたかった。

 サイドから攻撃を組み立てる。左から柏がドリブルで仕掛ける。右からもエミルが裏への抜け出しを試みる。そんなサイド攻撃はクロスまでいく。そしてファーサイドで待ってた野津田がヘディング。だがGK真正面。うう、決めたかった。あまりにもドフリー。枠に入れただけでもいいのかもしれないが、やはりここは決めて欲しかったとという心情は抑えることができない。

 更には自陣の守備から川辺が相手ボールをカット。前線へのフィードにヴィエイラが抜け出す。ゴールラインにたどり着き折り返し。だが誰も触れずペナルティエリアを超えると走りこんだ柏がシュート。これも枠には入ってたがミドルシュートにしては威力に欠け、GKに阻止されてしまうのだった。

 攻めているのに点が取れない。そのまま前半をスコアレスで終えると、松本・反町監督の作戦にまんまと乗せられてるような気がした。不吉だ。気持ちよく攻めさせておいてサンフレッチェの攻撃に慣れていくのではないだろうか。得点の入る気配がないとみるや一気に攻撃へと軸足を移していく。そして気が付いたら守勢に回される時間が増えてく。そんな蟻地獄のようなパターンにまた陥ってしまうのではないだろうか。

 だが後半もサンフレッチェの攻撃が続き安堵する。左サイドからの組み立てる。野津田と柏が敵を食いつかせつつ互いにパス交換する。そして2人の関係が手詰まりになったかと思うと佐々木がオーバーラップ。ただいかんせんその後のクロスの精度がなさすぎる。佐々木ってそんなにキック下手だったのかと首をひねるのだった。

 どうにも点が入りそうにない。ヴィエイラが素晴らしいボールキープを見せたり松本が左右に散らしたり柴崎がシュートを放ったりする。随所で可能性は感じつつもゴールが割れない。松本のゴール前は人数を掛けた守備ブロックができている。これを突き破るにははやりより強力なターゲットとしてパトリックを入れるしかないのだろうか。やっぱり最後はパトリック頼みしかないのだろうか。

 この時、柏がドリブルに入ると中央へ向かっていく。より近い位置からアーリークロスを入れるのかと思いきや、そのままゴールに向かって蹴った。

内側に弧を描いたシュート。その軌道はGKの掌に触れることもなくゴールに入ったのだった。

先制、先制、先制!

決して崩れることはないと言われた岩がハンマーで叩いてる内に崩れ落ちたとでもいった感覚だった。それはそれは柏にとっても久々のゴールでもあるのだった。

戦術パトリックとまで言われる程にパトリックへの依存度が高かった。それもそのはず、パトリック以外誰もゴールを決めないからだ。それもあってこのゴールは貴重なのだった。

更に畳みかけてもう1点。そんな機運は確かにあった。だが決めることができない。するとついにヴィエラに代わってパトリックが登場した。

 時間の経過と共にパワープレーに移る松本。最終ラインでの競り合いは神経を擦切らされた。もはやクリアだけして時間が稼げればいい。あわよくばパトリックがクリアボールを処理してくれる。ただ、自身のゴールが欲しいらしく、時間稼ぎよりもゴールを目指してしまう。それで決めることができればだしも可能性の低い突破をはかろうとするからたちが悪い。その結果すぐに相手ボールになりまたしてもロングボールを蹴りこまれるのだった。

残り時間わずかになりながらもCKが訪れる。ゴール前はもはや敵味方の乱立状態。その密集地帯目掛けてボールが蹴られた。ニアサイドでクリア。だが2次攻撃に備えないといけないと思ったとこで笛が鳴った。終了、1点を守り切って勝つことができたのだった。

開幕からリーグ戦でゴールを決めたのはサロモンソンと柏というサイドの選手だけ。それはパトリックに依存しきってた昨シーズンの得点パターンのなさから脱却の兆しがうかがえた。

そんな光明が見えたと感じつつも昨シーズンの失速ぶりは鮮明に記憶に残ってるだけにこれで浮かれる訳にはいかない。でもそう言いつつ勝ったその週はとても軽快な気分でいられるのは間違いないのだった。

2019年3月13日 (水)

メルボルン戦~結果を出して欲しかった選手の結果

2019年3月12日 アジアチャンピオンズリーグ・グループステージ サンフレッチェ広島vsメルボルン・ヴィクトリー 広島広域公園陸上競技場

 本田圭介。
 日本代表として3大会連続ワールドカップに出場。その後自ら代表引退を宣言しらものの、今でも日本を代表するフットボーラーであることに変わりない。そんな本田の凱旋試合。まさかこういう形で対戦することになろうとは。いつの間にかJリーグも国際化されてるのだった。
 そんな国際化の波は大会運営にももたらされ、背もたれのない席は客席として利用できないというAFCのルールを順守せざるを得なかった。その為、観客の入ることのできるのは指定席のみになり、チケットが売り切れたというのに実に閑散としたスタンドとなってしまったのである。常々サッカー専用スタジアムが欲しいと言ってきたが、結局のところこのスタジアムはすでに国際標準に対応できてないのだった。
 今回もまたリーグ戦とはメンバーを替えたサンフレッチェだった。が、絶対的なストライカーであるパトリックがいることで前回とは違った様相を呈していた。
そんなパトリックの下へ中盤でのブロックからボールが入る。
ドリブル、ドリブル、ドリブル。右サイドを駆け上がる。ディフェンダーと競りながらも縦へ抜けた。グラウンダーの折り返し。ゴール正面に出たそのボールを合わせた。バシンとゴールに突き刺すシュートを放ったのはルーキーの東だった。
 パトリックの重戦車のようなドリブル。そして東もよくあの位置まで走りこみ決めた。本人もまた自信を深めていくだろう。それを含め早い時間の得点は大いに希望を持った目で試合と向き合うことができた。
 ところがこの後メルボルンにどんどん押し寄せられていってしまう。守備一辺倒。確かにバイタルエリアには入れてない。パスを回させているだけとも言えなくもない。ただ、それもあまり長い時間続けているとどこかで決壊が起きる。特に体格のいいオーストラリアの選手にはパワープレーで来られたらたまらない。しかも本田のミドルシュートも脅威なのだった。
 はじき返してもクリアボールを拾われる。前線にはパトリック一人しかいないのでつながらない。守備固めをするにも時間が早すぎる。何とかならないものだろうか。
 そこで後半から東に代えてサロモンソンを投入。右サイドから活路を見いだそうとしたのだろう。が、状況は一向によくならない。ボール支配率を高めたい。そんな想いからラインを上げたのだろうが、その裏へ出されてしまった。
 決壊したディフェンスライン。水本が慌てて追いかける。間に合わず左サイドから入れられる。ゴール前へスライディング。決められた。決めたのは本田、本田圭介だった。
 よりによって一番注意しなきゃいけない選手にやられた。これで試合は振り出しに戻った。勝ち点3入れる為に攻めなきゃい。それは攻められ続けていたことにより途方もないことのように思えた。
 しかし、ここで気炎を上げたのが渡だった。相手を背負ってでもボールを受け、裏へ出してパトリックのGKとの1対1を生み出し、FKも獲得した。惜しむらくはそのどれも得点には結びつかなかったことである。それもこれも火がつくのが遅すぎたせいだろう。
 そして柏、野津田と投入して攻撃へ拍車をかけるも遅すぎる気がした。森島、渡がシュートを打つ。入らない。決めきることができない。柏が左サイドで仕掛ける。そしてクロス。ゴール前のパトリックにがガッチリマークがついてるのでこれも弾き飛ばされるだろうとため息をつきかけた。
 その時であった。突如、ニアサイドに現れた影。ピンポイントで合わせたヘディングはGKの届かない箇所に入ったのだった。。同点、同点ゴールだった。
 決めたのは渡だった。決めてほしい選手が決めた。勝ち越した。喜びを爆発させると共に残り時間を気にした。もうそれほどない。守れ。踏ん張れ。このリードを死守しろ。
 追いつこうともがくメルボルン。もう低い位置で奪ったものはクリアでいい。そういう時間を使いたい時に前線でファールを貰えた。時間が過ぎていく。堪えろ、堪えてくれ。そんな願いに報いるかのよいにタイムアップを迎えた。勝った、勝ったのだった。
 これで1勝1敗。少なくとも3試合だけで消化試合になることはなくなった。抜け出したい。何としてでも決勝トーナメントに勝ち上がりたい。サンフレッチェのように戦手層の薄いチームであっても戦う術はある。それをみせることができたのが嬉しかった。
 でもまだやっと1勝しただけ。それだけに勝ち進むことによって東や渡のように新たなヒーローとなる選手が生まれて欲しかった。

2019年3月10日 (日)

セレッソ戦~城福監督への再認識

201939日 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島 ヤンマースタジアム長居

 

 昨年の9月以来公式戦で勝ってないサンフレッチェ。それもこれも城福監督の無為無策に帰するとこが大きい。パトリックに依存した攻撃と固定メンバーによる戦術。最初の内こそうまくいってたものの、研究されたらその上をいく戦略がなかった。引き出しがない。城福監督を評する時、必ずついて回る言葉だった。

 そして予想通りのスターティングメンバーにまたもどかしさを感じながら勝てない試合を観なければならないのかと落胆するもワントップにはパトリックではなくドウグラス・ヴィエイラ入っていた。パトリック先発した場合、切り札がなくなってしまうことで試合が膠着した場合手詰まりになってしまう。その為に渡や皆川で試したことはあるがいずれもパッとしなかった。果たしてドウグラスがどれほど機能してくれるのだろうか。

 そんな疑問もチームが前からプレッシャーを掛ける積極的な守備お陰でドウグラスの絡む場面は度々訪れた。足が長いこともありキープ力がある。味方を使うのも上手く連動した攻撃が展開できる。そして誰かがミスをしてもそれをカバーする選手がいる。それによって益々攻撃チャレンジができるようになるのだった。

 DFの守備も冴えていて攻め込まれても摘み取ることができ前線へのフィードはつなげることができる。ポンポンポンとパスがつながりサロモンソンへ。右サイドからドリブルで上がるとミドルショート。枠には入らなかったもののそれは脅威を与えるには十分な精度とキレのあるシュートだった。

 右サイドといえばかつてミキッチが思い出される。スピードと緩急のあるドリブルから数々のゴールにつながるクロスを上げたもののシュートだけは下手だった。派手さではかなわないものの、実質的なプレーとしてはサロモンソンの方に軍配が上がった。

 そんなサロモンソンの落としからパスを回しゴールへの機会を伺おうとしたが相手のプレスにより相手GKへ向けてボールが転がってしまった。DFGKに任そうとスルーする。するとその隙を逃すまいとサロモンソンがスプリント。慌てて戻るDFGKDFとサロモンソンが交錯するように倒れた。が、ボールはまだ生きている。サロモンソンはルーズボールを拾いシュート。入った。一瞬GKの反応より早く動けたことで押し込むことができたのだった。

 先制点。ああ、こんな響きいつ以来だろう。そもそも得点自体3試合ぶりである。そして前回決めたのもサロモンソンだった。綺麗に崩すことばかり考えてたがこういう形でもゴールはゴールである。サンフレッチェに足りないものをことごとく具現化してくれてる、恐ろしく優秀なサイドアタッカーだというのに今更ながら気づかされるのだった。

 でもここで気を抜けばまた追いつかれる。そうならない為にも追加点が欲しい。そして実際そんな可能性を感じた。左サイドで柏が再三突破を試みクロスを入れる。ドウグラスがヘディングで合わせる。効果的ではあったがゴールに至るには何かが足りない。ここで切り札のパトリックがアップを始めた。相手にしてみればいよいよ畳みかけるつもりでいるように見えただろう。

 ところが交代は攻撃の野津田に代えてDFの荒木である。先の試合で2失点もしたというのによく起用に思い至ったものだ。そしてその後は川辺から実績の乏しい森島。これも勇気のいる交代であった。そして最後にサロモンソンを下げて清水である。パトリックを入れるふりをしつつ入れなかったのである。しかも試合のキーマンであるサロモンソンを下げるというのも相手の意表を突いただろう。

 実際にはセレッソの方がボール保持の時間が多く守備に回ってばかりだった。だけどそれほど攻められてるという感覚がしないのはブロックの中にボールを入れさせなかったからである。だがそれも時間と共に徐々にペナルティエリア内にまで侵入するようになりシュートを打たれる場面も出てきた。が、最後にGK大迫がいるのである。FKからゴール前へ上げられた場面で相手と競り合いながらもキャッチした。実際には相手の接触によるファールであるが最後の最後までボールを離すことがなく、この選手のスケールの大きさを感じたのだった。

 ボールを奪えばカウンター。上手くいかなければ戻ってディフェンス。そんな手堅い戦術はサンフレッチェキラーであった高木のドリブルを無効化し、前線でのターゲットとなる都倉も自由にさせなかった。2人共サンフレッチェの時には必ず点が取れるというイメージを持ってただろうが、今回は上手くいかないと違和感を感じたに違いなかった。

 そして終了の笛が鳴り昨年9月以来、約半年ぶりの勝利を得ることができた。勝った。勝ったということが喜ばしかった。それほどぼくらは勝利に飢えていた。固定化メンバー、変わらない戦術、停滞した試合進行。そういったものに辟易していたが、今日は違った。これは一体どういうことだろう。

もしかして監督の采配が当たったということか。あれほど疑心暗鬼に陥っていた城福監督の作戦は見事に的中したのである。

もうちょっとこの監督を信用してみよう。

たった一勝しただけなのにそんな気分が沸き上がった。勝つというのは心理にここまでポジティブに影響するというのに改めて気づかされたのだった。

2019年3月 5日 (火)

広州恒大戦~完敗

201935日 アジアチャンピオンズリーグ予選リーグ 広州恒大 vs サンフレッチェ広島 広州天河体育中心

 

 5回目となるACL。だが過去この大会での戦績といったら燦燦たるものである。一度だけ決勝トーナメントに勝ち進んだもののそれも1回で負けてしまった。情けない。日本を代表して出場にてるのに恥の上塗りをしている。ああ、恥ずかしい。ああ、みっともない。と嘆きながらも選手層の薄いサンフレッチェにとっては仕方のないことなのだった。実際この試合でもリーグ戦からメンバーを総入れ替えをしたのだった。

 それでも最初はよく堪えていた。ブラジル代表に名を連ねる選手相手にもよく対応していた。このまま無失点でいければ試合は落ち着いていく、そんな気がしていた。が、そんな時に右サイドで荒木裏を取られてしまった。カバーに入ってる選手はいない。縦へドリブル。ラインが下がっていく。だがボールを持った選手は誰も対応できずクロスを入れられると中で合わされてしまった。呆気なく、呆気なく失点してしまったのだった。

 もうサンフレッチェに勝てる見込みはなくなった。そもそも引き分けで終われば御の字だった。あまりにも早い失点。それは士気を下げるのに十分な効果があった。

 その後のCK。それまでに何度もセットプレーを受けてきたもののマークを外すことなくよく凌いでいた。やはりリーグ戦のメンバーに選ばれたいというのがいいモチベーションになっていた。ところがこのCKは高いとこから落ちるボールには荒木がまたしても裏に入られてしまった。ボールがこぼれる。それをパウリーニョ。押し込んでしまった。決まってしまった。決められてしまった。これもまた呆気ないゴールだった。

 もう負けることは決まってしまった。前半の内に2点差。まだ諦めるのは早いとはいえあまりにも希望がなかった。なぜならマイボールになってもボールの出しどころがない。パススピードが遅い。奪われたくないものだから後ろで安全に安全に回してしまう。攻めなきゃいけないものの相手の守備網へ突入すると言葉通り網に引っかかってしまう。行くも地獄、行かないも地獄なのだった。

 こんな手詰まりになったのも皆川や渡といった前線の選手がちっともボールを収めることができないからだった。ボールを受けることも散らすこともできないプレーには失望しか感じなかった。明らかに広州の攻撃陣に比べると2人は迫力に欠けるのだった。

 そんな2人には引導が渡された。まずは後半始めから渡が野津田と交代する。すると途端にボールが深いエリアまで侵入できるようになる。それまでの及び腰が一転して攻撃へとシフトしていくのだった。

 更に皆川が松本泰史が入ると両サイドから2人、3人と絡んだパス回しが展開される。クロスを入れてもクリアされるものの、そのセカンドボールをことごとく拾う。点が入らないのには変わらないが少なくとも失点だけはしないという安心感があった。

 ここまで攻撃に軸足を向けてたら店を入れたい。でもそれには何かが足りない。それがゴールへ向かう迫力なのだった。ゴールにぶち込む、ゴールに押し込む、相手をねじ伏せるという気概だった。相手を揺さぶってはいるもののフィニッシュで完結してないことが多いのだった。

 こねてばかりいないで切り込め。もっと強引に仕掛けろ。気力で負けるな。

 そんな声をあげようとしてるとCKとなる。流れで取れないだけにこれを生かしたい。そしてCKのボールをドウグラス・ヴィエイラが当ててこぼれる。吉野が打つ。スカした。もう一度打つ。またしてもスカしてしまってGKにキャッチされたのだった。

 ああ、2度もあった決定機でボールの芯を蹴ることができなかった。あんな絶好のチャンスを。あんな決定機を逃してしまった。

 すると今度は左サイドから東のクロスが入る。ドウグラスがヘディング。タイミングは合ってた。が、枠に入ることがないのだった。

 この2つの決定機、まさに広州の得点を決めたシーンそのものだった。広州はそれを決めることができた。サンフレッチェはそれを決めることができない。勝敗はそこで決まった。やはり点の摂れないチームが勝つことなんてできないようだ。

 完敗だった。後半は攻める時間が多かったのでまだ良かったのかもしれない。若い選手が多いだけにいい経験になったのかもしれない。でもこの試合は完敗だった。点が入らなかったことで何もできなかったと言っていい。

 もっと強く、もっと激しく、そしてもっと大胆に。

 そんな願いを叫びたくなるのだった。

2019年3月 2日 (土)

磐田戦~バリエーションなき戦術

2019年3月1日 サンフレッチェ広島vsジュビロ磐田 エディオンスタジアム広島

 名波監督の方が上。
 2点の先制をひっくり返された昨シーズンの記憶から城福監督への信頼はすっかり落ちてしまった。パトリックが初スタメンに入ってるが、それによって切り札を失ってしまったようにも感じる。かといって渡や皆川にそこまでの存在感がなかったことから仕方のない采配ではあるのだが。
 照明の落ちたピッチには脇のトラックが水分により光ってた。雨が降ってたのだろうか。その割にボールが滑るという感じではない。サンフレッチェのボールは確かに回る。だけど攻め切る前に攻撃を摘まれてしまう。それを解消する為のパトリックの起用だったもののその効用はちっとも感じられないのだった。
 そんなサンフレッチェのもたつきに対してジュビロの攻撃にはロドリゲスのドリブルが冴える。2人、3人とかわす。それでも最後は佐々木がせき止める。アダイウトンがミドルシュートを放つもGK大迫がパンチング。その辺の状況判断も含め大迫には安心感があるのだった。
 一進一退と言えば聞こえがいいものの、その実まるで攻め手がない。切り札であるパトリックを先発させてしまったが為にもはや打つ手がない。そんなことを思っていたらゴール前へボールが入る。パトリックがヘディングで落とす。こぼれをサロモンソン。だがそのシュートは枠を捉えることができなかった。とはいえ前節と同じ形でのフィニッシュの場面にやはりこの2人の同居は不可欠である気がした。
 そして最初の交代カードとしてドウグラス・ヴィエイラが入る。加入後初のプレーとしてボールを受けるも早々に奪われてしまった。
 あれ?、どうしたんだ。
 そんな戸惑いは次のプレーでまたボールを奪われることで疑心暗鬼へと変わってしまう。
 あの選手、大丈夫なのか?
 だが次第にいい形での関わり方をしていく。左サイドに抜け出し巧みな身体の入れ方によりFKを得た。長身の割には足下の技術も巧みである。だがそのFKのチャンスは簡単にクリアされてしまうのだった。
 磐田も切り札として荒木を入れてきた。さんざん振り回されたロドリゲスのとの交代だがこちらはこちらでスピードとキレがあり、ドリブルでペナルティーエリアまで侵入されてしまう。最後もかわしシュート。よもやこれまでと悲鳴を上げそうになるも大迫はパンチングで弾いたのだった。
 助かった。間違いなく1点取られたら終わりの試合である。ここにおいて最後の最後にGKが砦となってくれるというのは大きな安心感をもたらすのだった。
 そしてサンフレッチェは東、松本大哉と投入。理にかなった交代であるもののそこでポジションの調整もないしパターン化された交代のように見えた。ペナルティーエリア周辺まではいくものの最後が崩せない状況に変わりはない。たまにサロモンソンがディフェンスラインを越えてクロスを送るも川辺もパトリックも触れることすらできなかった。個でもダメ、連携でもダメといった様相だ。
 押し込め、押し込めというこちらの焦燥は決してピッチに反映されない。ただ、焦りだけは感じてるらしくパトリックがボール奪取での行き過ぎた行為によりイエローカードを貰ってしまった。
 全ては予定調和。攻め方も試合の組み立ても全て同じ。これでシーズン始めにしてすでにメンバーも固定されようとしている。引き出しがない。城福監督はもう行き詰まってしまったようん8見えた。
 スコアレスドロー。負けなかったのは良しとすべきかもしれない。だが昨年の9月以降まだ90分での勝利がないのである。一体どうやったら勝てるのか。まるで迷宮に迷い込んでしまったような気がするのだった。

2019年2月23日 (土)

清水戦~開幕戦始まる

2019223日 サンフレッチェ広島vs清水エスパルス エディオンスタジアム広島

 

 開幕戦。実際にはACLですでに公式戦を戦っており、厳密には2戦目である。だが、ACLとリーグ戦はメンバーを入れ替えるものだと思い込んでたこともあり、メンバーがほとんど変わってなかったのは驚きであった。ただ、その中でもワントップには渡が初出場してたのだった。

 昨シーズン、期待されつつも決して満足な活躍ができなかった渡。パトリックがいない今こそ結果を出したい。それこそが得点力不足を解消する鍵でもあるのだった。

 ところがこの渡、試合の中でまるで存在感がない。チーム全体に裏を狙う姿勢があり、再三そういう動きを見せるもののほとんどボールに触れない。そこは出し手の精度もあるものの目立ったのはそんなとこであとはどこにいるのか分からなかった。そのせいで両サイドでボールを持ってもクロスを上げるでもなく、ぐるぐるバイタルエリアでパスが行き交うだけなのである。どうも綺麗につないでラストパスを送ろうと意識し過ぎてるように思える。左サイドで柏がボールを持つ度に考え込んでしまってプレーにスピードと思い切りの良さが消えてるような気がした。攻めてはいるものの点の入る気配がない。典型的な負けパターンのゲームなのだった。

 相手への寄せやルーズボールへの対応が速くて危機から反転、チャンスにつなげるものの、いかんせん誰もシュートを打たない。パス、パス、パスで最後のとこで取られてしまう。そしてそんな相手へのプレゼントパスにしかならないボールを渡が出した時、気が遠くなりそうになるのだった。

 ストライカーだったら単独で勝負しろよ。

 そんな叫びをあげたくなった。競り合いで身体を張り、強引に前を向き、シュートコースがなくてもシュートを打つ。そんな本来FWならやってきそうなプレーがまるで出ない。それ故にゴール前にいてもちっとも恐くないのだった。

 そんな攻めあぐねを繰り返してる内に反転攻勢を掛けられ自陣に戻らざるを得なかった。すぐに人数掛けてブロックしたので安心したのも束の間、縦パスをダイレクトで裏に入れられ北川が抜け出す。GK大迫も飛び出すもゴールに流し込まれてしまった。あれだけポゼッションしてたのに、これだけ守備に人数掛けてたのに、こんな一瞬のプレーによって切り裂かれたことに徒労感を感じずにはいられなかった。でもまだ前半、まだ時間があることに希望を見出すのだった。

 ところが後半にはいっても戦況は動きはしない。ここでついにパトリックが登場した。絶対的エースであると当時にその存在感の大きさ故に皆が頼り切ってしまう。その結果昨シーズン終盤は勝てなくなった。それでもうやっぱりパトリックに頼らざるを得ないことに落胆するのだった。

 渡と交代してピッチに入ると途端にゲームは動き出した。パトリックへのボールが収まる。裏へのボールも通る。そして何よりクロスが入るようになった。左サイドからのクロスに対してパトリックは2人も背負いながらも競る。クリアボールとしてはじき出されるも中途半端な浮き球。それをサロモンソン。ボレーシュートがファーサイドに突き刺さったのだった。

 うわ、うわ、うわーっ!

 叫んでしまった。ルーズボールに対応したポジション取りもさることながら矢のように放ったボレー。よく決めた。シュートも上手い。エミル・サロモンソン、いい選手を獲ったものだ。

 同点により活性化されるとサロモンソンは右サイドを駆け上がり深い位置までえぐっていく。これは前半には見られなかった姿。トップにパトリックが入るだけでここまで変わるとは。更に途中出場の東からパン、パン、パンとダイレクトパスによりゴール前にパトリック。決定的チャンスであったにも関わらずGKに防がれてしまった。が、シュートが顔面に当たったことによりそのまま交代してしまった。ああ、これがもった早い時間だったら。悔やまれるもののそもそもがゴールに迫る勢いをパトリックが出るまでやらなかった方が悪い。そしてほんの数分の経過により試合は終了してしまったのだった。

 勝てたような気もする。パトリックが出るまでに無失点でいたならば。高いポゼッション率を上げてる間にゴールを奪うことができてたなら。勝てなかった理由は上げていくときりがないのだった。

 開幕戦引き分け。まあ妥当な結果かもしれない。勝ちたかったけど勝てなかった。そしてパトリックに依存しばじゅてはいけないという現実もまざまざと見せつけられてしまった。一体いつになったらパトリック抜きで計算できるチームになるんだろうか。

 こうしてJ1の開幕は開催されたのだった、

2019年2月20日 (水)

チェンライ戦~PK戦により制す

2019/02/19 ACLプレーオフ サンフレッチェ広島vsチェンライ・ユナイテッド 広島広域陸上競技場

 

 今シーズン初の公式戦。新しいメンバー、新人選手、他クラブへのレンタル移籍から戻った選手。当然スタメンに名を連ねたのは今までとは違った顔ぶれだった。世代交代も兼ねて若い選手が多い。それは新しい息吹を感じた。

 まだ2月のナイトゲーム。気温の低さは閑散とした雰囲気を導いた。それでも集まったサポーターの中で声援をピッチに送り届ける。その声に押されてサンフレッチェはパスをつなぐ。プレスをかいくぐってバイタルエリアへ侵入する。ゴール前へなだれ込む。そんな積極的姿勢がペナルティエリアでのハンドを導きPKを得た。開始早々にしてもう先制の機会を得たのであった。

 PKスポットに入った皆川。J2の熊本へのレンタル移籍から戻ってきた皆川にとってこれは結果を出してアピールしたい場面だった。それによってFWとしての自分の価値を見せることができる。例えそれがPKでもゴールはゴールだ。

 主審の合図と共に助走する皆川。速い弾道のキックを放つ。が、止められた。単純にGKサラヌーンの読みが当たったというのもある。が、そもそもが皆川の蹴ったコースが甘いのだった。

 やってしまった。よりによってせっかくのチャンスを潰してしまった。これによりすっかり皆川への信頼感が失せてしまい、それ以降のプレーを全て悲観的に評価してしまう。それは単なる自分の気分を落ち着ける為に皆川へ焦りの矛先をぶつけてるというのも大きかった。

 ところがよくよく見ると柏とサロモンソンの両サイドが度々クロスを上げるものの、ボールの来る先には必ず皆川はいないのだった。CKで競り合うも決して枠に入れることができないことに気づき、皆川がターゲットマンとして機能していないのを認知する。

ポジション取りについてもままならないこともあって、そういうゴール前の攻防では一向に勝てることがなかった。ああ、皆川よ。その成長のなさは憐れみすら覚えるのだった。本当はPKを得た場面ではいいポジション取りがあったからこそのPKの獲得だったものの、それも決められなかったのだから忘れてしまったのだった。

 70%もの支配率を占め、あとは決めるだけであるもののそれが一向に決まらない。パス、パス、パスで崩しクロスを上げても跳ね返され、ドリブルで切り込むこともできない。人数を掛けたブロックを崩すことができずぐるぐるボールを回してるだけになってしまう。強烈なキックを持つ野津田もミドルシュートを打てず打開がはかれない。それにはかなり期待感を外された気分がし、後半に入ってルーキーの東に交代してしまった。その直後に東がドリブルで切り込むシーンがあっただけに当人としても不甲斐なさが残っただろう。

 ミドルシュートで打開。そんなゴール前を固められた時のセオリーも交代で入ったルーキーの松本大哉によって行われる。ただ、あまりにもその精度がなく地球の裏側まで飛んでいくような大きく外れるシュートになってしまった。

 点が入る気配がない。段々とサンフレッチェの攻撃に慣れてきたチェンライはボール奪取から前線へ速く展開するようになる。前線ではブラジル人FWが単独で突き進むと数人掛かりで食い止めるのがやっとだ。なんだかチェンライの方が効率のいい攻め方をしてるように見えた。

 いよいよ点を取る機運が見えない状況にパトリックが皆川に代わってピッチに入る。その途端に相手エリアの深い位置までえぐれるようになる。ゴールは近づいた。だけど入れることはできない。パトリック目指してボールを供給しようとするだけマークが厳しくなる。これって昨シーズン陥った典型的な上手くいかない状況なのだった。

 そしてついに延長戦。疲れてきた相手で対してこちらも疲れていた。精度が落ちる中、それでもダイレクトパスを駆使して放ったシュートが相手のブロックに。だがそのルーズボールをパトリックが押し込む。決まった。やはりパトリックだ。やっと決まったそのゴールにスタジアムは歓喜に揺れるのだった。

 ところがこれがオフサイドの判定により取り消される。

 え、嘘だろと唖然としてしまう。そしてそんな虚につかれた心理につけ込みチェンライは攻撃の圧力を強め、危機一髪で防ぐことができたのだった。そういう危ない場面で堪えることができたのはGK大迫の働きが大きかった。最後の最後に砦となる。そんな気概は近距離からのシュートもセーブしてしまい、延長戦終了してPK戦となっても決して臆するものがないのだった。

 ついにPK戦にまでもつれこんでしまった。チェンライから始まったPK戦は1人目で両者きっちり決め、2人目に入る。するとここで相手シュートがバーの上を超えた。GK大迫の読みが当たったことによりキッカーにミスが起きたようだ。更に3人目も外してしまうもサンフレッチェが決め圧倒的有利な状況に。

チェンライ4人目のキッカーが決めるもここで決めると勝ちが決まる。入ったのは川辺。何となく表情が厳しいなと思ってたが外してしまった。バーを叩く音を響かせながらボールは枠を逸れていったのだった。

5人目、チェンライは成功。2年目の松本泰志が入る。この大一番で出てきたが松本には雰囲気があった。決して相手に飲み込まれない、逆に食い尽くしてやるという鋭い眼光があった。そしてその期待に違わずきっちりと決めたのだった。

勝った。120分の死闘を制した。これはまだACLのプレーオフ。この先を思うと気の遠くなるものもあったがとりあえずは目の前の1戦を制した。若い選手が多く出場しただけあって得るものは大きかっただろう。どんな形であれ勝つというのは希望を感じることができるというのを改めて思い知らされるのだった。

2019年2月 2日 (土)

カタール戦~力の差を見せつけられた準優勝

201921日 アジアカップ決勝 日本 vs カタール ザイード・スポーツ・シティ・スタジアム

 

 帰化選手8人以上。かつて日本もやってたとはいえさすがにそこまで帰化させるというのはどうなんだろう。そんな疑問を感じながらもそれを金の力で平然とやりのけてしまうのがカタールとも言えるのだった。

 もわーんとした立ち上がり。どことなくスペースがあるようでいてボールが回せるもののいざサイドから縦に進もうとすると摘まれてしまう。ショートパスを駆使しようともカットされる。真ん中の大迫に入れても複数のDFによって防がれる。どこをどうやっても前を向けない。そんな攻めあぐねの中ボールを奪われるとカウンター。そのスピードには着いて行くのが精一杯。たった1人のFWに振り回されてしまうのだった。

 更には後ろからの押し上げがあると日本のDFはつかみ切れない。そしてゴール前に浮き球が入る。吉田がマークに着くもリフティングからバイシクルシュート。入った。入ってしまった。何でこんなんが入るんだ。信じられない。どうしてこれが入るんだ。

 まるで狐につつまれたように失点してしまった事実を受け入れるのが困難だった。でもこんなのはたまたま。事故。偶然の産物。気を取り直して追いつこう。

 そんな仕切り直しの気分でいるとまたしてもバイタルエリアに入られる。マークに着ききれてない。その隙にミドルシュートを放つと弧を描いたボールはゴールに吸い込まれてしまった。ああ、入った。吉田が遅れてブロックに入ったものの完全に振り切られてた。ブレミアリーグでプレーしつつもカタール人の個人技は防ぐことができなかった。

 2点差。それがあまりにも途方もない点差だった。日本はまるでシュートまでいけない。対してカタールはワンチャンスあればそれを簡単に決めてしまう。どこをどうやっても勝てそうにもなかった。

 ところが後半を迎えると前線までボールが運べるようになる。もしかしたら2点差あることでカタールは守備に重点を置いたのかもしれない。それでもサイドを突破する。ドリブルで切り込む。そんなプレーを続けてる内に塩谷の中盤からの縦パスから最終ラインを抜けると南野が抜け出しシュート。飛び出したGKを超えるループシュートを決めた。よし、決めた。1点差なら追いつけるぞと希望を見出すのだった。

 依然日本の攻撃は続く。それでもあと一押しの為に原口に代わって武藤が入る。前線でのターゲットを増やした作戦は功を奏し次々にヘディングシュートを放つシーンが生まれる。ただ、入らない。枠に収めることができない。最後の最後で決めきることができないのだった。

 伊東が入り乾が入り攻撃にテコ入れをするもゴールに至らない。それどころかカウンターを受けるとやはり止めきれない。何とかCKに逃げたものの身長の高いカタールの選手は脅威だ。そこで一旦は弾き飛ばしたものの笛が鳴りプレーを止められる。VARにより吉田のハンド、PKとなってしまった。これをあっさり決められるとまたしても2点差。もはやこの時点でカタールは勝ちを確信したらしくベンチを含めてお祭り騒ぎだった。攻めて攻めて攻めまくった挙句決めることができず一発のCKで決められてしまったことに虚脱する。まるでそれは全ての努力を無に帰したかのような無力感だった。

 試合はそのまま1-3で終わってしまう。日本準優勝。惜しいとかそういうものもない完全なる敗北だった。せめて後半の戦いを前半からできていたなら。せめて相手のマークに対してもっとタイトに着けていたなら。ここまで力の差を見せられたことがアジアカップであったろうか。まだまだ足りないところを見せつけられてしまったことがこの試合での収穫。この敗戦をその後につなげていけたならと強く願うのだった。

2019年1月29日 (火)

イラン戦~アジア大会最強チーム

2019/01/28 アジアカップ準決勝 日本 vs イラン ハッザ・ビン・ザーイド・スタジア

 

 アジアカップ、準決勝。

そこには白い衣服に包まれたイランサポーターによって埋め尽くされたスタンドがあった。かつてアジアカップにおいて中東のスタジアムがここまで観客動員されたことがあっただろうか。決勝以外の試合でも盛り上がる、この大会の権威が高くなってきたということではなかろうか。

鳴り響くイランの応援。それは他の中東諸国と違いヨーロッパ的に太鼓のリズムに合わせたコールが鳴り響く。そしてその声援に呼応したようにイランの選手は速いプレッシャーにより日本にスペースを与えない。攻撃の芽を摘んでくる。そして前への推進力がある。パスでつなぎドリブルで突き進む。日本も寄せを速くするもののなかなか奪えないのは個人技が巧いからだ。やはり今までの相手とは違う。今大会無失点のイラン。選手の多くはヨーロッパでプレーしてることからもアジアの枠に収まらないチームでもあるのだった。

イランはサイドへのクリアを容易にさせる。それもそのはず、ロングスローがあるからだ。ゴール前へ向けてスローインはセットプレーのように選手が入り乱れる。クリアはできてもその後の2次攻撃、3次攻撃がやってくる。パンチ力のあるミドルシュートなので全くもって気が抜けない。このイランから点を取るどころかまずは失点しないようにするだけで精一杯だった。それでも高い集中力でゴールを守っていると前を向くチャンスは訪れたのだった。

大迫がスペースに出す。南野が反応するも倒された。笛はない。ファールなし。これで終わりかと思いきや南野はすぐに立ち上りルーズボールに追いつく。一瞬集中の抜けたイランは守備が整ってない。その隙を突いてクロス。中で合わせた。大迫、ヘディング。決まった。

先制。雄たけびを上げながら大迫はベンチに走った。完全に押されてた中での得点は相手の出鼻をくじくには大きなインパクトがあった。だが当然のことながらここからイランの猛攻が始まるのだった。

人数を掛けて守るもプレスにおいてはファールを取られてしまう。距離はあるがイランはFKを直接狙ってくる。強烈なキック。GK権田はパンチングによって何とか難を逃れる。イランの攻撃には首の皮一枚つなげるように堪えていくのだった。

そんな我慢の時を過ごす内にカウンターが来た。ゴール前、大迫が走りこむ。ヒールで落とす。南野反応。折り返しのクロス。手に当たった。ホイッスルが鳴る。

VARによってプレーが止まる。場所はペナルティエリアの中。判定はどっち。

そして主審の下した判定。PKPKだ。ボールをセットした大迫はピーンとした緊張感の中、GKの逆を突いて決めた。決めた、追加点だ。これで日本は大いに優位に立てたのだった。

2点差を埋めるべくイランの攻撃はまた圧力を高める。パワープレーも多くなり必然的に接触プレーも増える。遠藤が倒れる。ファールを取ってもらえない。続行不可能で塩谷に交代した。

更にはサイドバックの酒井が室屋に交代し、残り時間を過ごすことになる。シュートはイランの方が打っている。まだまだ堪える時間は続き堂安を伊東に交代があった。あわよくばカウンターにつなげようという意図だろう。

アディショナルタイム4分。あと少し。そこで原口が前線でボールをカット。ポンポンポンとショートパスがつながり原口がシュート。決まった。決まった、決まった、決まった。これはもう間違いない。価値を決定づけるダメ押し点を決めたのだった。

程なくして試合終了。厳しい厳しい試合が終わった。今大会で最強チームであるはずのイランに結果的には3点差で勝った。そこにサッカーの恐ろしさであり面白さを感じた。

実質的に決勝戦という声もあった。だがこれは本当の決勝ではなかった。そして残るはあと1試合。勝利した瞬間喜びはもう次の試合へ向けての緊張感に代わるのだった。

2019年1月26日 (土)

チョンブリ戦~茨の予感

2019/01/26 Jリーグ・アジアチャレンジinタイ チョンブリFC vs サンフレッチェ広島 チョンブリスタジアム

 

 日が落ちてるというのに32度という猛暑。真冬の日本とのギャップにはさぞ戸惑いがあるだろう。タイでのプレシーズンマッチはそんな勝手の違う環境でありながらも新シーズンへ向けてのアピールの場でもある。だがその実、城福監督にとっても勝負の年である。今までの経歴により修正能力のなさ、引き出しのなさは指摘されてきた。昨シーズン6連敗してからというものその采配に疑問を感じてきた。恐らく今シーズン失敗するとサンフレッチェはおろかJリーグにおいても声が掛かることはないだろう。そんな城福監督がどんなメンバーを選んできただろうか。

 するとそこには新しい顔が多く含まれた新鮮な構成だった。右サイドバックの和田がボランチをしてるというのも面白いし、東や松本大哉といったユース上がりの選手が入ってるというのもいい。それぞれ新しいポジションと新規メンバーはどのようなプレイをするのか興味深かった。

 つないでつないで危なくなったらバックパス。それは今までと変わらない。そしてGK林まで戻すとワントラップからロングキックを打つも相手FWに詰められたことでブロックしたボールがそのままゴールに入ってしまう。ああ、いくら親善試合のようなものとはいえあまりにも恥ずかしい失点。林もそろそろ引退かなと思いつつもサブにはもっと危なっかしい中林。今更ながらどうしてGKの補強をしなかったのかと思ってしまう。

 そんな失点の憂いを抱えつつも同点に追いつくべく前係になる。ゴール前にクロスが入る。エミルが落とす。東がフェイント、シュート。3人ものDFに立ちふさがれながらもわずかな隙を縫って決めた。このシュートは素晴らしい。早い時間の同点ということもあってこの東に大いなる希望を感じたのだった。

 ところが後半になるとGK以外メンバー総入れ替えをする。新加入のFWドウグラス・ヴィエイラの大きさが目立つ。それだけで非常な脅威となってる気がする。しかも強烈な左足キックを持つ野津田がいる。これはこれで楽しみな編成であった。

 ところがドウグラスが前線でボールをガツンと収めることもなくまるで迫力がない。そこを悟ったか、チョンブリは気持ちのいいように攻めてしまうようになった。ボールの奪えないサンフレッチェは防戦一方。こういう相手ボールを取れないという悪癖は全く解消されてないのだった。

 相手の攻撃を切ることができない。クリアしたボールは必ず相手のとこに飛ぶ。そんな切迫した状況の中で左に振られるとシュートを打たれた。これにはDFもちゃんと詰めてて林もニアで構えていた。が、このシュートが当たり損ねでバウンドしたボールになるとゴールのファーサイドに入ってしまった。ああ、ヒットしなかったが為に逆にセーブできないしゅーとになってしまった。この運の悪さ、これも昨シーズンと変わりはしなかった。

 更にスローイン、ゴールキックといった本来マイボールにしなくてはいけない場面で相手に簡単にボールを取られてしまう。この辺の課題も全く解消されてないのだった。

 最後は皆川も出て高さで勝負しようとする。が、いいクロスが入らない。そして密集したペナルティエリア内で森島が抜け出す。が、ここでDFのプレッシャーによってラストパスが送れなかった。この辺もフィジカルコンタクトに弱い弱点を克服してない気がする。ああ、どうして個人でもチームでも課題とされてるものが改善されてないのだろうか。やっぱりこれが監督の力量、そんなことを考えてもしまうのだった。

 最後にCKを得た。これを野津田が蹴る。が、簡単にクリアされて終了。2-1で負けてしまったのだった。公式戦ではないとはいえ、とても楽観できる内容ではなかった。

 たえずはACLのプレーオフがある。これはちょっと厳しそうだな。まだキャンプ中だというのにもうそんな悲観的な感情を抱いてしまうのだった。

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    ローリング・ストーンズの暴露本である。現在は改題され『夜をぶっとばせ』になってるがタイトルといいブックカバーといい前の方がシックリしていた。 ストーンズというのはぼくが最も影響を受けたバンドの内の一つだが、ここまで無茶苦茶をやってそしてそれが逆に彼らのダークなイメージにつながった。まさにロック・バンドの典型である。どんなに悪ぶっても彼らのようにはなれないし彼らのような影響力は出せないだろう。 時代をロックと女とクスリと共に駆け巡り気付けば巨大産業に飲み込まれていったストーンズ。作者はそんなストーンズに最後は身も心もすり減らされてしまったらしい。それでも未だに活動しているストーンズはある意味怪物だ。 ぼくとしてはこの本の訳者中江昌彦の翻訳もその場に居合わせたような感覚になるのが良かった。他にも『レス・ダン・ゼロ』などもいい雰囲気を出してた。今まで本なんか読んだこともなかったぼくが高校生の時読んで凄いショックを受けたのをよく覚えてる。当時のブックカバーの最後に「END]という文字が書かれてたが読後その文字が見た目以上に大きく見えたものだ。 (★★★★★)
  • 落合信彦: 第四帝国
     まず最初に断っておこう。これはトンデモ本である。ここに書かれてる内容は根も葉もないことと言っていい。そもそもこの落合信彦という人がゴースト・ライターを使ってマトモに取材してるかどうか怪しい。本人いわくCIAに100人も友人がいるというから情報には事欠かないということらしいがこれではアメリカ政府のトップシークレットがなぜか来るというUFO研究者と言ってることが変わらない。そういえばUFOに関しての記述もこの本ではありオリジナルな展開を見せてるのは興味深かった。  内容はナチス・ドイツの残党が世界各地で暗躍してるというものでヒトラーは生きてる、UFOは実はナチスが造ったというファンタジーが溢れてる。その展開はちょっとしたSFといっていい。  事の真実なんてどうでもいい。ただ単純にエンターテイメントとして読めば何の問題もないだろう。誰も「ゴルゴ13」を読んで事実と違うと言わないだろう。それと同じことだ。  しかしこの人、いかにも事実というように書くのが上手い。文章も簡単でスラスラと読めるので展開のテンポがいいのである。だから知らないうちに読んでしまってるという感じになる。そのスタイルはぼくもずいぶんと参考にさせてもらった。  まあ実際はゴースト・ライターなんだが。 (★★★)
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     このブログの元ネタとなった本。この本との出合いはサンフレッチェの応援仲間に渡されたことだ。その存在は知ってたものの読む機会がなかったのでありがたかった。  内容はというとアーセナルを応援する著者のその観戦生活といったとこだがこれを読むと結構日本のサポーターもプレミアのサポーターも変わらないとこがあるのがわかる。退屈な、退屈なアーセナルというタイトルには笑ってしまった。なぜなら分かり過ぎるくらい分かる心情だからだ。ぼくもサンフレッチェを応援してて何度同じことを感じただろう。  今やアーセナルはプレミア・リーグでも優勝しチャンピオンズ・リーグでも決勝に進出するような存在。一方ぼくの応援するサンフレッチェ広島はJリーグの1部リーグで常に降格の危機を感じるクラブ。でもその根っこは同じである。海外サッカー好きにはJリーグをバカにする傾向があるがそういう人には分からない内容かもしれない。 (★★★★★)

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